第1回(1890年)から数えて48回目となる衆院選の投開票が22日に迫る。今回は政権継続を目指す自民、公明両党と「希望の党、日本維新の会」、「共産、立憲民主、社民各党」の3極が対決する構図だ。有権者が投じた1票が、日本の政治をどう動かしてきたのか。過去4回の衆院選を2回に分けて振り返る。(金 慶順)
■2005年 小泉郵政解散、自民圧勝
郵政民営化法案の参院否決を受け、小泉純一郎首相(当時)は解散を決断。争点は、民営化に「賛成」か「反対」かに絞られた。造反議員の選挙区には“刺客”候補が送り込まれるなど、選挙戦はまさに小泉劇場と化した。自民党は296議席の大勝を収め、1990年の衆院選以来の単独過半数を獲得した。
兵庫県内も自公が小選挙区12区で完勝。自民は、1区で官僚出身の新人盛山正仁氏が、民主前職の石井一氏を破り、3区では元銀行マンの関芳弘氏(自・新)が、6区では元伊丹市議の木挽司氏(同)が当選。公認候補10人全員が勝利した。公明は解散前の2議席を確保。民主は小選挙区で全敗し、比例復活も4人にとどまった。
■2009年 民主全員当選、政権交代
野党第1党の民主党が308議席を獲得、国民新党、社民党との連立政権(鳩山由紀夫内閣)が誕生した。国政選挙により政権交代が実現した初のケース。年金記録問題や政治家の失言などで批判にさらされた自民党は、公示前の300議席から119議席に落とす惨敗となった。
兵庫県内の12選挙区は2005年の郵政選挙とは一転、新人5人を含む民主の公認候補10人全員が当選した。自民の小選挙区勝利は9区の西村康稔氏のみ。4区の元防災相・井上喜一氏や10区の元文科相・渡海紀三朗氏など閣僚経験者も敗退した。比例復活は5区の谷公一氏だけだった。
8区では新党日本代表の田中康夫氏が元国交相の公明冬柴鉄三氏に競り勝った。