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 プロ野球の阪神タイガースが、2年連続8度目のセ・リーグ制覇を果たした。3日の広島戦に逆転負けを喫したが、2位の巨人も敗れて歓喜の瞬間を迎えた。宿敵との熾烈(しれつ)な優勝争いを制し、球団創設から91年で初となるリーグ連覇を成し遂げた。チーム一丸となってつかんだ偉業をファン、地域と共に祝いたい。

 他球団の追随を許さなかった昨季と異なり、順風な一年とは言えなかった。石井大智投手や近本光司選手ら主力がけがで長期の離脱を余儀なくされた。8月29日にマジック「23」を点灯させたものの、9月に入り7連敗を喫するなど、優勝目前の足踏みもあった。こうした逆境をはねのけるベテランや中堅の奮起、若手の台頭が、一戦必勝の正念場で底力を発揮したと言える。

 就任2年目の藤川球児監督は開幕前、「新たに自分たちをぶっ壊して、やり直して、磨き直して」と連覇へレベルアップを求めた。一方で、昨季同様に「凡事徹底」「没頭」の言葉にこだわり、選手に自覚を促した。疲労やパフォーマンスが落ちてきた選手は再調整させ、調子が上向きな2軍選手との入れ替えを頻繁に行った。常に選手を良い状態で出し、それぞれが役割を担う。藤川流マネジメントは、主力の負傷など「有事」への備えとしても機能した。

 投打の軸の成長と安定感が光る。度重なる故障を克服した高橋遥人投手が最多勝の16勝を挙げる圧巻の投球で、チームの窮地を何度も救った。ダブルエースの村上頌樹(しょうき)投手と才木浩人投手は2桁勝利を挙げ、ベンチの信頼に応えた。藤川監督が抜てきした2年目の工藤泰成、木下里都(りと)両投手の「160キロコンビ」は、石井投手の抜けた穴を埋めて余りある活躍で、育成と勝利を両立した。

 打撃陣では、主砲の佐藤輝明選手が序盤から好調を維持し、打率、本塁打、打点の三冠王を射程圏に入れる勝負強い打撃で連覇の原動力となった。佐藤選手に負けじと本塁打を量産した森下翔太選手、適時打を重ねた大山悠輔選手の中軸は強力だった。若手では、近本選手の離脱をカバーした23歳の高寺望夢(のぞむ)選手が終盤戦で値千金の勝ち越し本塁打を放つなど、優勝へ勢いづけた。

 特筆すべきは、名前を挙げた選手がすべて「自前」であることだ。FA補強に頼らず、生え抜き選手の育成に大きく舵(かじ)を切った近年の球団の戦略が、直近4年で3度の優勝、初の連覇という形で実を結んだ。12球団屈指の観客動員数を誇る熱烈なファンが選手の躍動を後押しした。

 リーグ連覇の先には、さらに大きな喜びが待つ。クライマックスシリーズ突破と日本一奪還へ。猛虎の進撃はまだ終わらない。