東北から関東までを襲った東日本大震災。巨大地震に津波、原発事故が重なった未曽有の複合災害に、どう対応すべきか。阪神・淡路大震災などの災害復興に携わった各界の関係者に聞いた。
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今、必要なのは(被災地にまつわる問題の)分野ごとに司令塔を置き、それぞれに責任を持たせることだ。政府は、それを系統的に集約する。高度な判断を要する問題は官邸に上げるが、現場の問題は司令官に任せる。被災された皆さんは、政府にそういう機能や使命感があるのか不安を持っていると思う。
「復興院」や「復興庁」の設置が言われるが、それは一つの手立てにすぎない。「復興庁ありき」ではない。被災地を復興するにも、同じ場所に港や道路や公共施設を造っていいのか。そこに津波が再び訪れないという保証はない。まずは街をどこに復元するかという問題から始まる。その点が阪神・淡路とは違う。
阪神・淡路大震災は、当時として想像を絶する大災害だった。情報通信も今ほど発達しておらず、官邸が実情を把握するのに時間がかかった。それだけに初動対策を批判されたが、3日目に現地入りした村山富市総理が「特命大臣を置く」と腹を決め、翌日私が就任した。
すぐに訪ねた被災地は本当に悲惨な状態だった。だが、神戸の人たちには聡明さ、立ち上がろうとする気概がみられた。国も県もなく、日ごろの行政区分を超えて一体となって働いていた。挙国体制で国難に当たろうという大きなうねりを感じた。
いつの時も(政治家は)、被災地に向けたメッセージを早く出さないといけない。それが被災者の気概や復興への夢を引き出すのだから。(聞き手・山崎史記子)
▽おざと・さだとし 1930年鹿児島県生まれ。同県会議員を経て79年、衆院議員に初当選。労相などを歴任。95年に阪神・淡路大震災対策担当相に就任、同年8月の内閣改造まで務めた。2005年に政界引退。
2011/4/7(24)日弁連・災害復興支援委員会委員長 永井幸寿さん2011/5/25
(23)兵庫県断酒連合会事務局長 芦谷真隆さん2011/5/20
(22)東京大総合防災情報研究センター長 田中淳さん2011/5/18
(21)国民新党代表 亀井静香氏2011/5/13
(20)元警察庁長官 国松孝次さん2011/5/11
(19)明治大学大学院特任教授 中林一樹さん2011/5/7
(18)淡路市直営診療所長 井宮雅宏さん2011/5/3
(17)元防衛庁統合幕僚会議議長 西元徹也さん2011/4/29
(16)NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク理事長 黒田裕子さん2011/4/28
(15)JPモルガン証券シニアエコノミスト 足立正道さん2011/4/27
(14)元神戸市生活再建本部次長 桜井誠一さん2011/4/26
(13)プロ野球オリックスオーナー 宮内義彦さん2011/4/23
(12)減災・復興支援機構 理事長 木村拓郎さん2011/4/21
(11)茨城県副知事 上月良祐さん2011/4/21
(10)元兵庫県知事 貝原俊民さん2011/4/20
(9)災害ボランティア担当首相補佐官 辻元清美さん2011/4/19