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第7部 わたしの終い方

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「台日交流会」に臨む台北市立病院の医師ら=台北市
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「台日交流会」に臨む台北市立病院の医師ら=台北市

「台日交流会」に臨む台北市立病院の医師ら=台北市

「台日交流会」に臨む台北市立病院の医師ら=台北市

 オランダでの取材を終えた私たちは、台湾に向かった。安楽死は合法化されていないものの、アジアでいち早く終末期医療の法整備を進めてきたと聞いたからだ。

 2月8日、私たちは主要な医療機関の一つ、台北市立病院を訪ねた。病院内の会議室で、日本の研究者を交えて「台日交流会」が開かれることになっていた。

     ◇     ◇

 交流会のテーマは「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」だ。延命治療を受けるかどうかなど、患者本人や家族、医療関係者らが事前に話し合うことをいう。

 台湾側からは、同病院の黄勝堅(ホァンションジェン)病院長や医師らが参加した。日本からは京都大学などの女性研究者5人が臨んだ。いずれも国の科学研究費の助成を受け、終末期医療の倫理や法的問題を研究している。

 日本側はACPについて、厚生労働省が啓発しているものの、まだ国民の間では認知度が低いと報告した。

 対する台湾側は熱かった。黄病院長らは英語で「good death」と繰り返した。「台湾では『良い死』は法律によって保障されている。ACPは『デスリテラシー』を推進させます」

 デスリテラシー。「死ぬ能力」、あるいは「死の知識」と訳せばいいのだろうか。初めて聞く言葉だった。

     ◇     ◇

 台湾では20年前、本人や家族の希望があれば、末期がんなど終末期を迎えた患者の延命治療を中止したり、控えたりすることができる法律ができた。

 昨年からは、昏睡(こんすい)状態や極めて重篤な認知症、難病の患者らへの適用も可能になった。希望者は、まだ元気なうちに病院のACP外来を訪れ、延命治療を受けるかどうかなどを選択し、医師と「事前指示書」を作成するという。

 交流会で黄病院長らはこう述べた。「事前指示書を通じて、患者の価値観に基づいた治療を提供する。ACPは認められた権利なのです」

     ◇     ◇

 実際のところ、延命治療の中止はどれぐらいあるのだろうか。座談会に参加していた大谷大学東京分室の研究員、鍾宜錚(ジョンイジェン)さん(37)が後日、台北市立病院に照会したところ、「2015年からの5年間で約600件」との回答があったという。

2020/5/9
 

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