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指導役の学生から、人形を使って心肺蘇生法やAEDの使い方を教わる参加者ら=神戸市中央区加納町6、市危機管理センター
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指導役の学生から、人形を使って心肺蘇生法やAEDの使い方を教わる参加者ら=神戸市中央区加納町6、市危機管理センター

指導役の学生から、人形を使って心肺蘇生法やAEDの使い方を教わる参加者ら=神戸市中央区加納町6、市危機管理センター

指導役の学生から、人形を使って心肺蘇生法やAEDの使い方を教わる参加者ら=神戸市中央区加納町6、市危機管理センター

 阪神・淡路大震災から来年1月で20年となるのに合わせ、神戸新聞社と神戸市などが大学生らに呼び掛けて結成した「117KOBEぼうさい委員会」が、災害の知識や応急手当の技術を身に付けた「117KOBEぼうさいマスター」の養成に取り組んでいる。認証には同市の市民救命士資格などが必要で、心肺蘇生や自動体外式除細動器(AED)の使用法を学ぶ。同委員会の学生らが指導する講習に記者(31)も挑戦した。(岩崎昂志)

 急に心臓や呼吸が止まった人の命をつなぐ心肺蘇生法。多くの市民が学べば、けが人などが多数発生する災害時にも役立ちそうだ。記者は約10年前に普通免許の講習で教わった記憶があるが、ガイドラインは大きく変化。傷病者の鼻をつまんで口から息を吹き込む人工呼吸よりも、胸を何度も強く押す心臓マッサージ(胸骨圧迫)が優先され、街角に普及したAEDも欠かせなくなった。

 今回の講習では、同市の救急インストラクター資格を持つ神戸学院大学の学生らが、応急手当の流れを手ほどきしてくれた。

 目の前で人が倒れたとき、まず大切なのは、周囲に「誰か来て!」と助けを呼ぶことだ。119番通報やAEDの用意などやるべき作業は多いが、混乱してしまうことも予想される。「いざというとき体が固まるのは当たり前。大声を出せば、自然と体が動く」と、同大4年の田渕広樹さん(21)。自らも街中で倒れた人を救護した体験があるという。

 次に呼吸を確認し、腹部が膨らむ動きが10秒ほどなければ胸骨圧迫を始める。両手を重ね、傷病者の胸の真ん中を5センチ以上沈むぐらい強く押す。1分間に100回が目安で、かなりの速さだ。記者も回数を数えながら必死に押したが、数十回もすれば汗がにじんできた。指導してくれた同大2年の宮本好(このみ)さん(19)は「体力の消耗が激しいので、2人以上で交代しながら続けるのがベストです」。

 途中で人工呼吸を挟む場合もあるが、傷病者が出血や嘔吐(おうと)をしている場合は感染の危険もあり、省いても構わない。行う場合は胸骨圧迫30回に対し、人工呼吸は2回とする。

 AEDが確保できたら装着を急ぐ。ふたを開けて電源を入れれば自動で手順を説明する音声が流れる。誰でも使えるよう工夫されているが、記者は講習で初めて体験。電極パッドの貼り方や動作手順は一度習っておくと、慌てずに済みそうだ。音声指示通りに電気ショックをした後は、再び胸骨圧迫を続ける。

 訓練したものの、人前で大声を出すのは緊張し、手順を間違えないようにするのが精いっぱい。いざというときに冷静にやり遂げられるだろうか。

 講習に参加した神戸市中央区の飲食店経営、岸英明さん(46)に声を掛けると「緊張しましたね」と苦笑しつつ、「災害が増えており、家族や身近な人を救うためにまずは体験しておきたかった」と気を引き締めていた。

 記者は今後、同委員会が作成した映像を視聴し、ぼうさいマスターの認定を目指す。まずはできることから。講習後、救護に使うマウスピースをかばんに取り付けた。

2014/11/3
 

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