新ひょうごの医療

「1人も犠牲者を出さない」と対策を進める魚崎町防災福祉コミュニティの清原会長(中央)や石畠副会長(右手前)ら=神戸市東灘区魚崎南町3
約1万2500世帯、約2万6千人が暮らす神戸市東灘区の魚崎地区。阪神・淡路大震災で家屋の下敷きになるなどして200人以上が命を落とした。「もう魚崎から犠牲者を1人も出したくない」。自主防災組織・魚崎町防災福祉コミュニティの清原孝重会長(68)は力を込める。
1997年に発足した同コミュニティは各自治会や婦人会、消防団など24団体で組織。30年以内の発生確率が70%とされる南海トラフ巨大地震が起きると、同地区には約2時間後に4メートル超の津波が襲来するとされる。そのため、車いすでも通れるルートを記したマップを作り、年2回、住民約500人が参加する避難訓練を実施。運動会などでも絆を深め、命を守れる地域づくりを進める。
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- シリーズ11 災害と疾病
2018/1/6~2018/1/27
約25万棟が全半壊し、死者6434人、重軽傷者4万3792人を出した阪神・淡路大震災。壊れた家屋から救出されながらも、命を落とした人がいた。避難所では、寒さと先の見えない暮らしで体調を崩した人も多い。あの日から間もなく23年。今月の「新・ひょうごの医療」シリーズ11は、震災が招いた病気やけがに焦点を当て、助かった命をつなぐための備えを考える。
