新ひょうごの医療

自立訓練事業所の利用者らと触れ合う山下淳さん。「使命感が自分にとっての心の癒やし」と語る=明石市大蔵天神町
阪神・淡路大震災で被災した上、親類を亡くした山下淳さん(58)=兵庫県明石市大蔵天神町=は、仕事の過労も重なってうつ病やパニック障害などを発症した。友人知人や家族に寄り添われながら、地道に治療を続けることで徐々に回復。現在では同市で自立訓練事業所「ジョブエル」を運営し、精神疾患や脳梗塞といった中途障害がある人らの社会復帰を後押しする。悲しみの底から脱し、生きがいに満ちた日々を送っている。
あの日、神戸市兵庫区の自宅が全壊し、同区内に住む妻の弟が命を落とした。同市水道局の外郭団体でエンジニアを務めていた山下さんは、落胆する暇もなく、ライフラインの復旧作業に奔走した。
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- シリーズ11 災害と疾病
2018/1/6~2018/1/27
約25万棟が全半壊し、死者6434人、重軽傷者4万3792人を出した阪神・淡路大震災。壊れた家屋から救出されながらも、命を落とした人がいた。避難所では、寒さと先の見えない暮らしで体調を崩した人も多い。あの日から間もなく23年。今月の「新・ひょうごの医療」シリーズ11は、震災が招いた病気やけがに焦点を当て、助かった命をつなぐための備えを考える。
