新ひょうごの医療
阪神・淡路大震災で兵庫県芦屋市南宮町の自宅が全壊した男性(70)は、慣れない土地での避難暮らしや生活再建の過程で心身の疲労が蓄積し、心筋梗塞を発症した。救急搬送時に意識を失い、一時は命に関わる状況だったが、カテーテル(医療用の細い管)を使った血行再建術で回復。発症前から続ける運動で汗を流すほか、怒りをためない考え方を実践して悪化や再発を防ぎ、自宅を改装した私設美術館を拠点に映画製作を進めるなど意欲的に生きる。
子どもの頃から、病気とは無縁の体質。グラフィックデザイナーや広告制作などの仕事に打ち込む傍ら、登山やテニスで運動するのが習慣だった。少食でもあり、塩分や脂質、アルコール分を取り過ぎることはなかった。
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- シリーズ11 災害と疾病
2018/1/6~2018/1/27
約25万棟が全半壊し、死者6434人、重軽傷者4万3792人を出した阪神・淡路大震災。壊れた家屋から救出されながらも、命を落とした人がいた。避難所では、寒さと先の見えない暮らしで体調を崩した人も多い。あの日から間もなく23年。今月の「新・ひょうごの医療」シリーズ11は、震災が招いた病気やけがに焦点を当て、助かった命をつなぐための備えを考える。
