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阪神・淡路大震災の犠牲者のうち、神戸市民と同市内で亡くなった人の名を刻む神戸・三宮の「慰霊と復興のモニュメント」に十七日、市外の犠牲者ら五十人の名が初めて刻まれた。遺族約六十人が集い、亡き家族の名が書かれた銘板を自らの手で掲示した。今後も遺族の希望を受け、毎年、犠牲者名を追加する。
モニュメントは二〇〇〇年一月、全国からの寄付金で完成した。犠牲者の名は縦三センチ、横十四センチのアクリル製銘板に一人ずつ刻まれ、地下空間の壁面に四千五百十七人分が掲示されていた。
毎年一月十七日にはモニュメントでの追悼式の様子が全国に伝えられることもあり、神戸市外の遺族らから「名前を刻んでほしい」という要望が同市に寄せられていた。
新たに刻まれたのは、市外の犠牲者や震災が遠因で亡くなった人で、「震災死」とされる六千四百三十三人に含まれない人も対象。「西宮で亡くなったが神戸出身」「神戸の会社に勤めていた」「芦屋市の碑には名前が刻まれていないので寂しい」など、申し込んだ理由はさまざま。
西宮市の自宅が全壊し、二男の賢二君=当時(14)=を亡くした小林洋子さん(49)=同市高須町=は「西宮の追悼碑は屋外だけど、ここならあの子も雨にぬれずにすむ。賢二が生きていたことを多くの人に知ってもらいたい」と話した。
掲示の問い合わせは、神戸市役所内「慰霊と復興のモニュメント運営委員会」TEL078・321・3921
2003/12/17