被災者追跡アンケート
▼地区の状況
深江 半数が「復興進む」
それぞれが住む地区の復興状況については、地域の違いが浮き彫りになった。復興土地区画整理事業がまだ完了していない千歳地区は「取り残されている部分がある」「遅れている」の回答が計75%を占めた。「遅れている」は、深江地区の6%に対し、千歳は31%。また、深江では16%が「完了した」と答えたが、千歳はゼロだった。
千歳では「区画整理事業の進み方が遅い」(60代女性)「道路や街灯などが整備されておらず、夜が暗い」(50代男性)など、事業の進ちょく状況への不満も。また、「以前はケミカル工業があり、活気もあったが、今は景気がよくないので、まちが死んでいるように見える」(50代女性)と、地域活性化を願う声が上がった。
▼住みやすさ
付き合い減り住みにくく
震災前に比べて地域は住みやすくなったか―。千歳地区では「住みにくくなった」が「住みやすくなった」を上回った。深江地区は、二つの回答が同じ割合だった。
住みにくくなった理由(複数回答)は、千歳では「近所付き合いが減った」が47%で、コミュニティーの問題が浮かび上がった。「高齢化が進んだ」も38%。深江では「マンションが増えた」が66%、「知らない住民が増えた」が55%。
「まちは美しくなったが、老化と寂しさが進んでいく。もとの地に戻ってきた高齢者も一人、二人と減っていく」(須磨・50代女性)「コミュニティーが崩壊し、新旧の住民交流がない」(東灘・40代男性)などの意見が寄せられた。
一方、住みやすくなった理由は、両地区ともに「街並みがきれいになった」「道路や公園が整備された」が多く、まちの整備が進んだことを評価している。
2005/1/11