被災者追跡アンケート
▼収入の変化
半数近くが大幅減収
震災後、世帯収入の減少が続いている。震災前に比べた収入は、会社員や自営業者、パートなどを合わせた全体では「増えた」がわずか4%に対し、「減った」は70%に達した。「半分近く減」「半分以下」が計45%で、半数近くの人が大幅な減収となった。
職業別では、特に自営業者の減収が目立ち、「減った」の回答は86%に上った。「半分以下」が51%もあり、「半分近く減」を合わせると約七割が大幅な減収だった。
「客が商品を買わなくなった」(須磨・50代女性)「人通りが少なくなった」(同・60代女性)「仕事はしているけど量が少ない」(東灘・60代女性)などの声が上がり、地域のにぎわいが失われたことや景気低迷が自営業者の収入に響いていた。
▼仕事の変化
自営業者、目立つ休・廃業
震災で大きな打撃を受けた地域では、自営業者の休・廃業が目立つ。
千歳地区では、「震災後に廃業」と「いったん再開後に休・廃業」は計38%に上った。「得意先が全壊し、自宅と機械が全焼。下請けのため、将来のめど立たず廃業」(70歳以上男性)「店が全焼。仕事が減り、廃業に追い込まれた」(60代女性)「家も工場もビルも全焼、再建できない」(50代女性)など、火災で店や工場を焼失し、事業を再開できない人が多かった。
一方、会社員では、失業中か失業を経験した人は12%だった。「勤務先が地震で倒産」(東灘・50代男性)という声のほか、「会社のリストラで失業し求職中」(同・50代男性)と景気低迷で仕事を失ったケースもあった。「震災で手や足が不自由になり就労できない」(同・50代男性)という人もいた。
2005/1/11