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北側に再開発ビル群が迫る。路地を生かしたまちづくりが進む=神戸市長田区駒ケ林町2(撮影・三浦拓也)
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北側に再開発ビル群が迫る。路地を生かしたまちづくりが進む=神戸市長田区駒ケ林町2(撮影・三浦拓也)

  • 北側に再開発ビル群が迫る。路地を生かしたまちづくりが進む=神戸市長田区駒ケ林町2(撮影・三浦拓也)

北側に再開発ビル群が迫る。路地を生かしたまちづくりが進む=神戸市長田区駒ケ林町2(撮影・三浦拓也)

北側に再開発ビル群が迫る。路地を生かしたまちづくりが進む=神戸市長田区駒ケ林町2(撮影・三浦拓也)

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 JR新長田駅から南へ15分ほど歩く。神戸市長田区駒ケ林町。棟割り長屋に地道の路地が残る。神戸では珍しくなった下町の風景が目の前に広がる。

 阪神・淡路大震災後、新長田駅南側では復興再開発事業があり、高層ビルが林立する街に変貌した。その南に位置する駒ケ林は、下町の風情を生かしたまちづくりが進む。

 魅力を再発見する町歩き「駒っぷ」の作製や「いかなごウオークラリー」の開催。まちづくり協議会会長の浦井清五さん(71)は「この道の狭さが地域の魅力であり、足かせでもあった」と話す。

    ◇

 漁師町としての歴史は奈良時代にさかのぼる。1950年代には1万人近くが住み、木造家屋に水産加工場などが混在し、3世代が暮らした。だが人口は減少を続け、震災前には半減していた。

 建築基準法では、建物を建てる場合、道路の中心から2メートル下げる必要がある。駒ケ林は、多くの道路が幅3メートル未満で区画も狭く、事実上、建て替えができない家が多い。

 権利関係が複雑で、売買できない更地も少なくない。浦井さんは「年寄りは亡くなるが、子どもは古い家に戻らない。空き家と空き地が増えた」と話す。

    ◇

 震災の被害が比較的軽かった駒ケ林は、区画整理など復興事業の網を外れた「白地地域」となり、課題が持ち越された。

 家屋撤去後も更地のままで、人口はさらに減った。だが道幅を6メートルに広げる区画整理では風情が失われる。選んだのは市の近隣住環境計画制度の活用だ。

 1丁目南部で、建物の耐火性を高めつつ、幅2・7メートルの道路を認めるルールを住民で決め、法の例外適用を受けた。市が空き地を無償で借りて広場にする事業も活用した。

 コンサルタントの松原永季(えいき)さん(48)は「区画整理一辺倒のまちづくりから脱却する新しい試みだ」と話す。浦井さんは「まちの再生は50年後かもしれないが、取り組む価値はある」と将来を見据える。

(森本尚樹)

2014/6/25
 

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