4代続けて天皇陛下に提供されてきた兵庫県南あわじ市丸山地区の「献上鯛」のおいしさや食べ方をPRしようと、地元有志でつくる丸山献上隊が、レシピ集作りに励んでいる。このほど開かれたレシピ開発会では、料理研究家をアドバイザーに招き、同隊の女性メンバーが4品の料理を完成させた。(西竹唯太朗)
丸山漁港で水揚げされる鳴門ダイは、大正、昭和、平成、令和と代々の天皇陛下に提供された逸品。冷蔵技術が発達していなかった時代は、一夜干しにして届けられたという。そうしたエピソードもあり、同地区の海鮮市場・魚菜館で2019年から、ご当地土産として献上鯛の一夜干しを販売。ところが、観光客から「食べ方がよく分からない」との声が上がったという。
あらためて地元の人に聞いて回ったところ、塩焼きや蒸し焼きといった簡単な調理法しか寄せられなかったため、手間をかけずに華やかな料理を考案しようと動きだした。
開発会では料理研究家の明石理香さん(53)の手ほどきを受け、献上鯛の身を使ったサラダ▽混ぜずし▽アクアパッツァ▽グリル焼き-の4品を完成させた。干物のため下処理が不要で、手の込んだメニューでも20分ほどでできるという。
今後は、リーフレット型のレシピ集を作り、同館で一夜干しの購入者に配る予定。動画で作り方を学べるQRコードも添えるという。参加した同隊の女性(62)は「一夜干しにこんな料理方法があるとは。彩りも鮮やかなので、パーティーで提供してもらえれば」。明石さんは「鯛は香りも良いし、身もふっくらしている。いろんな料理にアレンジして」と話していた。
