弓で矢を放って厄災をはらう新年の伝統行事「的矢神事」が8日、兵庫県淡路市長沢の金山比古神社(平田滋宮司)であった。地域住民が古式ゆかしく的を狙い、家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)を願った。
神聖な力が宿るとされる矢を放ち、農作物の豊凶を占った神事が起源とされる。500年以上続くとされ、同神社では毎年1月8日に行う。
烏帽子(えぼし)に直垂(ひたたれ)姿の町内会役員4人と神職、地域住民が、本殿で1年の豊作や安全を祈願した。その後、境内につくられた弓場に移動。慣れない弓の扱いに苦労しながら、約10メートル先の的を狙って次々に矢を放った。矢が的に命中すると、「うまい」「縁起がいい」と拍手が送られた。
長沢町内会の田尾伸一郎会長(69)は「一日も早くコロナが収まり、皆が達者で暮らせるよう願った」と話していた。(内田世紀)
