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淡路島モンキーセンターの餌やり風景=洲本市畑田組
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淡路島モンキーセンターの餌やり風景=洲本市畑田組
2021年に向けたサル文字の「丑(うし)」=2020年12月、洲本市畑田組
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2021年に向けたサル文字の「丑(うし)」=2020年12月、洲本市畑田組
神戸新聞NEXT
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 「淡路島モンキーセンター」(兵庫県洲本市畑田組)に集まるニホンザルの群れで、4年ぶりにボスザルが交代した。11代目のボスに認定されたのは、オスのジョニー(推定20歳)。高齢で弱った先代に代わり、昨年末から約350匹を率いる。ここのボスは代々子ザルを助け、餌を分け合うなど寛容さが特徴という。一方で、弱い者いじめをしたボスがクーデターによって“短期政権”に終わったケースもあり、職員がその手腕を見守っている。(上田勇紀)

 2月上旬。ジョニーはお気に入りのメスの隣に座り、日なたぼっこをしていた。発情期で、群れ全体よりメスばかり見ているようだが、「少しずつ堂々として、落ち着きが出てきた」と延原利和センター長(66)は目を細める。まわりのサルも、ジョニーを気遣うようになってきた。

 延原さんがジョニーをボスに認定したのは昨年12月。先代のマートン(推定25歳)が群れから距離を取るようになり、1カ月がたっていた。人間なら75歳ほどで、加齢に伴い体も衰弱。ナンバー2のジョニーが既にトップにいると考えた。

 今年1月、衰弱したマートンは死んだ。弱った後も群れの周辺にいた先代がいなくなり、ジョニーは本格的な“政権運営”を開始。けんかを仲裁するなど、リーダーシップを発揮し始めている。

    ◇

 山と餌場を行き来する野生ザルの姿を間近で見られる同施設は、1967年にオープン。以来、施設ではボスザルを中心とする群れの序列や、個体識別にも力を注いできた。

 ボスの系譜をさかのぼると、67~93年まで、初代~6代目(名前はいずれもゴン太)が平均4年で交代した。続く7代目マッキーは、2008年まで15年もの長期政権を樹立した。

 「マッキーが、寛容性の高い『淡路ザル』の基礎を作った」と延原さん。ボスザルというと、優先的に餌を食べて威張る姿が思い浮かぶが、マッキーは違った。母ザルが死に、手足が不自由な子ザルを抱きかかえて山に帰るなど、ボス就任の前も後も、献身的に弱者を支えたという。

 だが、08年3月、8代目イッチャンになると様相は一変する。高齢のマッキーが身を引いたのを機にトップに就任。乱暴者で、弱いサルを追い払ったり、餌を奪ったりし、メスからも人気がなかった。

 同年6月22日、ナンバー2、3、4の3匹が一斉にイッチャンを襲撃。かみついて重傷を負わせ、ボスの座から引きずり下ろした。67年の開所以来初の“クーデター”だった。今も施設では「6・22事件」として語り継がれている。

 その後、ボスとなった9代目アサツユは優しいマッキー路線に戻り、自ら子ザルの面倒を見て統率。9年近くにわたり、安定して群れを守った。約4年務めた10代目マートンも、優しく接するリーダーだったという。

    ◇

 同施設では毎年末、えとの文字を描く「サル文字」が恒例。下書きに沿ってまいた餌を、体を寄せ合ってサルが食べることで出来上がる。序列に厳しい群れでは、上位のサルの真横で下位のサルが食べようとすると追い出されるといい、延原さんは「寛容性を育んできた淡路ザルだからこそ、見られる光景」と話す。

 肩寄せ合うように生きるその生態は、国内の大学や海外の研究者からも注目される。「ここのボスは大変な役割だけど、きっとやれる」。ジョニーが伝統を受け継ぎ、長期政権を築くことを、延原さんは願っている。

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