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意見を述べる松本正義関西経済連合会会長(左)と、山田啓二前京都府知事=洲本市小路谷、ホテルニューアワジ
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意見を述べる松本正義関西経済連合会会長(左)と、山田啓二前京都府知事=洲本市小路谷、ホテルニューアワジ
関西エアポート・山谷佳之社長
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関西エアポート・山谷佳之社長

 2025年大阪・関西万博に向け、兵庫・淡路島の観光施策を話し合う「淡路島観光会議」の4回目の会合が6月30日夜、兵庫県洲本市内であった。万博会場の夢洲(ゆめしま)(大阪市)から島内へ人を呼び込む方策について、委員の松本正義関西経済連合会会長(洲本市出身、住友電気工業会長)は「3市一体となって立派なパビリオンを淡路島に造るぐらいの覚悟が必要」と発言。海上交通の可能性とあわせて議論は盛り上がった。(上田勇紀)

 会議は19年8月に発足。洲本市出身の山田啓二前京都府知事を座長に、島内3市長や淡路県民局長、淡路島観光協会幹部らが委員を務める。

■サテライトは…

 県は、御食国(みけつくに)や国生み神話をテーマに文化を発信する淡路市の淡路夢舞台▽医療産業都市を中心とした神戸・ポートアイランド▽世界遺産の姫路城周辺-などを候補地に、いわゆる「サテライト会場」の設置を検討している。

 会合に出席した県の担当者は「正式な万博サテライト会場の実現は難しい。県として、非公式な連携事業の位置付けになるのかどうか。調整したい」と報告した。本年度中に基本構想をとりまとめるという。

 サテライトに関し、松本氏は「淡路島の伝統や食が未来社会の設計にどうからんでいくか、というパビリオンを島内に造ったらいい」と発案した。「世界に開けた観光地としてPRするなら、いまから計画しないといけない」と、予算化を含めた司令塔の必要性も指摘した。

 山田座長は「いのち輝く島」のキャッチフレーズを提案した。万博テーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿って島の温泉や食、自然をPRする狙いで、「万博とともに進む姿勢を早く出した方がいい」と準備の加速を求めた。

 守本憲弘南あわじ市長は、このキャッチフレーズを評価した。ただ、会議でこれまで「食のサテライト」の可能性を探ってきた経緯を踏まえ、「一点集中で施設を造るのか、いろんな魅力のあるところに分散するのか、考えないといけない。分散する場合は(島内)交通をどうするかも課題」と話した。

■今秋に航路実験

 島内の観光業界には、関西空港への航路復活に期待する声もある。会合で県の担当者は、今秋に大阪湾海上交通の充実に向けた実験を予定していると説明。淡路交流の翼港(同県淡路市)と天保山(大阪市)を結ぶなど複数の航路案を検討し、万博を見据えた需要や採算性を探るという。

 淡路島観光協会の木下学会長(ホテルニューアワジ社長)は「(人を乗せて空を移動する)空飛ぶ車の構想もある。淡路への移動にも使ってもらえないか」と提案した。

     ◇     ◇

■「1泊は島で」メッセージ発信を 関西エア・山谷社長

 30日の淡路島観光会議には、関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長が出席。新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明なインバウンド(訪日外国人客)の動向や、万博に向けた島内観光の展望を語った。

 山谷社長は、訪日客によるコロナ前の関空利用について、「関西を訪れることが目的で、乗り継ぎはわずか」と説明。関空から入国する外国人は2013年の約232万人から、19年に約838万人に急増したといい、「アジアからはリピーターが多く、レンタカー需要が増えていた」と指摘した。

 今後について、「いつから国際旅客が戻るか予測が難しい。年内ぐらいから回復が始まってほしい」と期待。淡路島の訪日客誘致に対しては、「万博のためだけに来るか。関西を旅行したいはずなので、『1泊は島で』というメッセージを出してはどうか」とした。

 海上交通については、「乗って楽しい船でなければあまり価値がないが、そういう船は大きくなる。採算が取れるかどうかだ」と語った。

(上田勇紀)

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