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スズムシの飼育場を前に、「脱皮の瞬間はぜひ見てほしい」と語る岡野雅年さん=淡路市内
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スズムシの飼育場を前に、「脱皮の瞬間はぜひ見てほしい」と語る岡野雅年さん=淡路市内
お手製の「スズムシマンション」。成長すれば土を入れた別のケースに移す=淡路市内
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お手製の「スズムシマンション」。成長すれば土を入れた別のケースに移す=淡路市内
生後1カ月のスズムシ=淡路市内
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生後1カ月のスズムシ=淡路市内

 兵庫県淡路市の漁具店経営岡野雅年さん(66)が、自分で育てたスズムシを配り、飼育の楽しさを広めている。8年前に友人からもらったのをきっかけに、毎年子孫のふ化に成功。今年も6月初めに約5千匹が生まれた。「小さいのが少しずつ成長していく。オスはお盆ごろから鳴くようになり、癒やしを届けてくれる。かわいいよ」。昨年からは同市立北淡小学校で希望する児童にも渡し、命の不思議を伝えている。(上田勇紀)

 同市の岡野漁具店。衣装ケースで仕立てた飼育場所をのぞき込むと、ダンボールの止まり木に、無数の黒い点々があった。

 「いま、生後1カ月。知り合いにあげたけど、まだ4千匹はいるかなあ」

 キュウリやスイカ、市販のえさを与えた手作りの「スズムシマンション」で、虫たちは居心地良さそう。見守る岡野さんの目尻が下がる。

 8年前の夏、大阪に住む友人から50匹ほどもらった。「ペットはあんまり興味がなくて。でも大事な友だちからもらったんで、『大切にせな』と思ってね」。毎朝、えさを交換して世話をした。すくすくと成長した虫たちは、お盆ごろから「リーン、リーン」。夜になると涼しげな音色を奏でるようになった。

 10月半ばに死んだが、土の中の卵をふ化させる手だてをネットで検索。土の表面を掃除して霧吹きをし、ラップでふたをするなどしておくと、翌年6月、2千匹もの幼虫が生まれた。「見るとぶわあと動いていて。感動した。わが子が誕生したみたいな感じで」。一気にのめり込んだ。

 地元の夏祭りや講演会で、ペットボトルに入れて配った。飼い方のポイントを記した紙も添えた。「けっこう喜んでくれて。見た目が黒いから、ゴキブリみたいと嫌がる人もいるけどね」。手応えをつかみ、毎年ふ化させて配った。

 そこへ昨年、新型コロナウイルス禍が襲う。行事が減り、渡す機会が減った。

 岡野さんは、キャンプや工作教室で子供と地域をつなぐ「北淡子育てネットワーク推進協議会」会長を務める。自宅で過ごす時間が増えた子供たちに、飼育の楽しさを届けようと北淡小に相談。学校を通じて募ると、児童15人が飼育を希望した。生態を学んで観察する用紙も付けて渡した。「思ったより希望する子が多くて、中には脱皮するところを見たという子もいた」と笑顔で振り返る。

 協議会では「すずむしプロジェクト」と名付け、今年も取り組みを続ける。「どれぐらいの子供がやりたがるかなあ。ふ化に成功した家庭はあるかなあ」。順調に成長する虫たちの前で、岡野さんは期待を膨らませる。

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