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湖に上部だけ顔を出している旧成相池堰堤=南あわじ市八木馬回(洲本土木事務所提供)
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湖に上部だけ顔を出している旧成相池堰堤=南あわじ市八木馬回(洲本土木事務所提供)
湖に沈む前、ダムとして使われていたころの堰堤の姿=南あわじ市八木馬回(洲本土木事務所提供)
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湖に沈む前、ダムとして使われていたころの堰堤の姿=南あわじ市八木馬回(洲本土木事務所提供)

 緑色の湖にかかる古びた橋…。そう思いきや、これは昔のダムらしい。兵庫県南あわじ市八木馬回にある「旧成相池堰堤(なりあいいけえんてい)」。完成から71年たつ今年、公益社団法人「土木学会」(東京)が、歴史的な土木建造物をたたえ、保存につなげる「選奨土木遺産」に認定した。(上田勇紀)

 管理する淡路県民局洲本土木事務所によると、堰堤の高さは33メートル。橋のように見えるのは堰堤の上部4メートルほどで、残り29メートルは湖の中に沈んでいる。ダムの役割を終えた後も、そのまま水中で保存されている、珍しい建造物だ。

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 経緯は、昭和初期までさかのぼる。深刻な農業用水不足にたびたび見舞われたことから、三原川水系成相川の上流に建設が決まった。「成相耕地整理組合」が主体となり、1937(昭和12)年に着工。50(同25)年に完成した。

 この間、要した時間は13年。水利調整、資金調達、激しさを増す太平洋戦争による労力・資材不足…。度重なる苦労を乗り越え、ついに完成にこぎつけた。粗石モルタル造で、堤の長さは113・3メートル、貯水量97万5千立方メートル。農業用水不足を補う「利水」の分野で効果を発揮したという。

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 ところが、昭和50年代に三原川水系の下流域で水害が起こり、県は82年、「三原川総合開発事業計画」を作った。洪水などに備える「治水」分野も対応が急がれるとして99年、利水と治水の両方に対応できる成相ダムが新たに建設された。

 旧堰堤は、下流に成相ダムができたことで役割を終えた。取り壊しはせず、ダム湖に沈んだ。水不足や建設の苦労をいまに伝える。

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 淡路島内の土木遺産は、上田池(こうだいけ)堰堤(南あわじ市)、江埼(えさき)灯台(淡路市)に続く3例目。水源開発に取り組んだ先人の努力を後世に伝え、建設当初の粗石モルタル造が保持されていることが認定の理由という。

 洲本土木事務所は「PRを検討中。成相ダムの見学会で紹介するなどして、土木遺産となった堰堤のことを知らせていきたい」としている。

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