淡路

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候補者の演説に耳を傾ける有権者=淡路島内
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候補者の演説に耳を傾ける有権者=淡路島内

 19日公示された衆院選。新型コロナウイルス感染防止と経済再生の両立や、安倍・菅政権の評価が争点になる中、兵庫県淡路島内の有権者からは「外食自粛で農水産業も打撃を受けている」「障害者就労の後押しを」「子どもの命を守る政策を増やして」など切実な声が上がる。

■生業

 「漁獲高の減少や単価の低下でもともと厳しかったところに、コロナ禍が追い打ちを掛けた」と話すのは南あわじ漁協組合長の小磯富男さん(67)。外出自粛で、島内外の飲食店向けの、魚介類の需要が激減した。高級な魚介類ほど単価が低下し、自主的に休漁する漁師も増えたという。小磯さんは「苦しいのは飲食店と同じ」と話す。

 地球環境の変化にも敏感だ。同漁協はワカメの養殖に力を入れ、激しい海流が育む「鳴門ワカメ」として人気だが、温暖化による海水温の上昇が大きな懸念材料。ワカメの成長にはある程度冷たい海が必要なためで、「漁師らで高水温に強い種苗の研究に乗り出すが、限界がある。第1次産業の従事者を助けてほしい」

 淡路市で農業を営む70代男性は「コロナ禍で米の価格が昨年から2~3割下落した。国は農地の集積や法人化を進める農家には手厚いが、小さな個人農家には冷たい」と嘆く。起伏がある山あいの地形などを理由に、農地集約に二の足を踏む農家は多いといい、「衰退を防ぐ手だては不十分」と話す。

■分配

 洲本市で、障害者の就労支援を兼ねた喫茶店「カプチーノ」を運営する柿原孝司さん(55)は、新規事業の後押しを訴える。昨年、障害者の就労機会を増やそうとブルーベリー農園を計画したが、行政の補助対象にならず、開業延期を余儀なくされている。衆院選でコロナ禍を乗り切る給付金に関心が集まる中、「コロナ後も見据えて事業者が力を発揮できるような施策が必要だ」という。

 収入源が増えれば、就労支援施設で働く人々への報酬「工賃」を上げられるとも考える。厚生労働省によると、カプチーノが該当する「就労継続支援B型事業所」の月平均工賃は2019年度実績で1万6369円(時給換算223円)。柿原さんは、就労者の親なき後の自立を目指して平均以上を出しているというが、「国は就労者の昇級モデルなど工賃底上げの仕組みも考えるべきだ」と話す。

■成長

 「従来の方法を踏襲しても、経済は上向かない」。島内で中小製造会社を経営する70代男性は、こう思案する。経済政策「アベノミクス」を掲げた安倍政権下で株価が上昇したものの、「結局、日本人の所得は増えていない」とし、新たな策を期待する。

 地域の雇用を支える中小企業だが、経営者の高齢化などに伴って事業の継続が課題となっている。コロナ禍で経営環境が厳しくなっていることにも触れ、「単なる延命措置にとどまらない支援策が重要」とする。コロナ禍で傷ついた経済の再生については「飲食、観光業界への支援継続が、縮小した経済活動を活発にする近道。パート、アルバイトなど非正規従業員の雇用を戻してほしい」と話す。

■次代

 淡路市で学習塾を経営する土井章光さん(71)は、「児童虐待や、会員制交流サイト(SNS)などを介して子どもを巻き込む犯罪が後を絶たない。政治家は、子どもの命を守ることを第一に考えてほしい」と願う。

 政策として「学校の教員でも行政の職員でもいいので、子どもを見守る人を増やせないか。目が行き届くような社会づくりにお金をかけてほしい。子どもが正しく育つ環境があれば移住・定住が促され、将来の地域活性化につながる」と力を込める。

 コロナ感染の“第5波”が収束状態にあるいま、「催しなど、にぎわいづくりの支援に力を入れてほしい」と話すのは、同市のイラストレーター三原敏秀さん(60)。島内でも少しずつ催しが復活しつつあり、「イベントをこまめにのぞいて交友関係が広がれば、新しい仕事にも結びつく」と期待する。

 国会議員の政治姿勢にも触れ、「国会中継のやりとりを見ていても、どれも選挙に勝つためにやっているように映る。パフォーマンスや言葉だけでなく、中身の伴う政治をしてほしい」と求める。(西竹唯太朗、吉田みなみ、内田世紀、中村有沙、上田勇紀)

【特集ページ】衆院選2021

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