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映画に出演した高校生に撮影の手順を説明する大須賀王子さん=洲本高校
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映画に出演した高校生に撮影の手順を説明する大須賀王子さん=洲本高校
地元住民が出演する映画の各シーン
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地元住民が出演する映画の各シーン

 黒ずくめのスーツに中折れハット、白髪交じりの長髪と無精ひげも様になる。2020年7月、拠点としていた米国から兵庫県淡路市内に移住した俳優大須賀王子さん(55)が、島を舞台にした短編映画「あわじ探偵事務所」を完成させた。地元住民も多く出演し、自然体の演技を披露する。映画は16日、洲本市山手2の市総合福祉会館で上映会がある。(内田世紀)

 大須賀さんは東京都出身。日本大学芸術学部映画学科を経て、劇団や芸能事務所に所属し、舞台や映画で活躍した。米倉涼子さんが外科医を演じる人気ドラマ「ドクターX」にも出演。13年以降はハリウッド映画に挑戦するため、米国と日本を行き来した。だが18年、永住権を取得し米国での仕事に本腰を入れようとした矢先、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大で帰国を余儀なくされた。

 「俳優業に区切りを付ける潮時か」。農業などで新たな人生を踏み出そうと移住を決めた。行き先は妻がインターネットで調べた淡路島。「深く考えずに行ってしまえ、という気持ち。おいしい食材や優しい人柄に引かれた」。島はイメージ通りだったが、農家でのアルバイトを体験した初日、作業中に脚立から転落し右手首を骨折した。「重い物が持てなくなってしまった。自分に農業は向いてないのか」

 その頃、島で唯一の映画館「洲本オリオン」の野口純子さん(79)と知り合った。県男女共同参画推進員として「コロナ禍で講演会や教室が開けない」と頭を悩ませていた野口さんが、大須賀さんに「俳優なら映画を作って公開してみては」と持ちかけた。思わぬ提案に驚いたが、「島に映画館があることも知らなかったのに、不思議な縁を感じた。やはり俳優業は運命か」と応じた。

 原案と脚本、監督を大須賀さんが担当した。30年前に島を出た男ジョージ(大須賀さん)が探偵となって突然島に帰るストーリー。「まさかあいつが…」と驚く地元の人々を、美容師や時計店の店主、喫茶店のオーナーらがそのままの配役で演じた。たどたどしい演技にも「それが島の良さを伝える。あえて指導しなかった」と大須賀さん。にぎわっていた頃の商店街の写真を現在の様子と重ね、島の空気感を巧みに表現した。エンディングでは住民へのインタビューをまとめ、約17分の作品に仕上げた。

 ジョージの母を演じた野口さんは「予算がない中、よく作ってくれた。若者が島外に出てしまう島の事情をうまく説明してくれている」と高評価。大須賀さんは「古里の温かさや母への感謝をテーマにしたかった。この映画をきっかけに、俳優の経験を生かした仕事を考えたい」と話す。

 上映会は入場無料。午前11時、午後2時の2回上映。要申し込み。野口さんTEL090・5167・6988。映画は今後、ネット公開などを検討するという。

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