生育が難しく、幻の植物といわれるチリ原産の大型植物「プヤ・チレンシス」3株が、兵庫県淡路市の県立淡路夢舞台公苑温室「あわじグリーン館」で開花した。2018年以来、4年ぶり。担当者は「3株同時の開花は初めて。非常に珍しいのでぜひ見にきて」と話している。
プヤ・チレンシスはパイナップル科に分類される植物で、チリの乾燥地帯などに見られる。開花は十数年に1度ともされる。高く伸びた花茎の先に、レモン色の小さな花が穂のように密集して咲く。鋭くとがった葉にはかぎ爪状のとげがびっしりと生え、近づいた羊が刺さって逃げられなくなることから、別名「羊食い」とも呼ばれているという。
同館では03年から種を植え栽培を始めた。過去に開花したのは18年の1株のみだった。今年3月ごろ、開花の兆しである花茎が株の中心付近からぐんぐんと伸び出した。4月に入るとその長さは約3メートルに達し、先端部で花が咲き始めた。
見頃は4月下旬から5月上旬ごろまで。瀧本吉伸副館長は「多くの人に見てもらうため、できるだけ花を長持ちさせたい」と話していた。(西竹唯太朗)
