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ショパンの楽曲などを演奏する旧陸軍軍人、樋口季一郎氏の孫でピアニストの紀美子さん=南あわじ市湊
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ショパンの楽曲などを演奏する旧陸軍軍人、樋口季一郎氏の孫でピアニストの紀美子さん=南あわじ市湊

 ナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人難民を救ったとされる兵庫県南あわじ市出身の旧陸軍軍人、樋口季一郎氏(1888~1970年)の孫でピアニストの紀美子さん(72)=東京都=らを招いたピアノコンサートが25日、同市湊の湊地区公民館であった。樋口氏がファンだったというショパンの楽曲などが演奏され、訪れた約200人が聞き入った。(西竹唯太朗)

 樋口氏は旧阿万村の生まれ。戦時下での功績が、故郷の南あわじでもあまり知られていないことから、地元住人有志が2020年に「樋口季一郎研究会」を発足し、勉強会やパネル展などを催してきた。10月には同県淡路市の伊弉諾神宮に樋口氏の銅像も建立する。

 ハルビン特務機関長として旧満州国に赴任していた1938年、資金難に苦しんでいたハルビン交響楽団の再建に力を入れるなど、音楽愛好家としての一面も持つ樋口氏。その孫、紀美子さんがプロのピアニストとして活躍していることから、音楽を通して周知を図ろうと、同研究会などがコンサートを企画した。

 「いつも着物姿で毅然(きぜん)としていたが、おちゃめなところもあった」と祖父の印象を語る紀美子さん。樋口氏はヨーロッパ駐在時にピアノを習い始めたが、両手で弾く難しさに断念したといい、「子どもの頃、自宅でピアノを弾いていると、祖父が後ろから眺めながら『大したものだな』と言ってくれた」とほほ笑む。

 コンサートではまず、同市在住のピアニスト、浦瀬奈那子さんが登壇し、演奏を披露。続いて紀美子さんが、樋口氏のお気に入りだったという、ショパンのポロネーズ6番「英雄」などを会場に響かせた。紀美子さんは「祖父の故郷で演奏できたことがうれしい」と話していた。

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