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探偵ジョージになりきり、ポーズを決める大須賀王子さん=淡路市佐野、カフェ「あわじ探偵事務所」
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探偵ジョージになりきり、ポーズを決める大須賀王子さん=淡路市佐野、カフェ「あわじ探偵事務所」
キッチンカーで入れた自慢のコーヒーを提供する大須賀さん=淡路市佐野、カフェ「あわじ探偵事務所」
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キッチンカーで入れた自慢のコーヒーを提供する大須賀さん=淡路市佐野、カフェ「あわじ探偵事務所」
飲食スペースとして開放し、映画を楽しむこともできる自宅の居間=淡路市佐野、カフェ「あわじ探偵事務所」
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飲食スペースとして開放し、映画を楽しむこともできる自宅の居間=淡路市佐野、カフェ「あわじ探偵事務所」

 漁師町の旧街道。黒ずくめの男が、しゃれたキッチンカーの前でポーズを決める。男は、兵庫県淡路市在住の俳優大須賀王子さん(55)。キッチンカーは、自宅前で自ら開業したカフェ「あわじ探偵事務所」だ。喫茶店らしからぬ店名は、大須賀さんが淡路島で制作して今年1月に公開した短編映画のタイトルそのまま。俳優業とカフェを並行して続ける考えで、「まずは地域の人に喜んでもらいたい。役に立てることがあれば声をかけてほしい」と気さくに話す。(内田世紀)

 人気テレビドラマ「ドクターX」に出演し、舞台や映画で活躍した大須賀さん。米国に拠点を設けてハリウッドでも活動したが、新型コロナウイルス感染症拡大後は淡路島で暮らす。

 短編映画「あわじ探偵事務所」は、30年前に淡路島を出ていったジョージ(大須賀さん)が突然、探偵となって戻り、地元の人々を驚かせるストーリー。過疎化が進む島と家族愛を描いた。脚本、監督、主演を大須賀さんが担い、島内の美容師や時計店の店主、喫茶店のオーナーらが、そのままの役柄で出演した。洲本市内で催した完成披露には、住民ら200人以上が集まった。

 この映画から抜け出たようなコンセプトのカフェは、自宅前にキッチンカーを設置して今年10月末に開業した。イベント会場への出張もする。

 「コーヒー愛好歴20年」といい、事前に「コーヒーコーディネーター」の資格を取った。7種のコーヒー豆を厳選。注文を受けてから豆をひき、フィルターを使うハンドドリップで入れる。

 ひき方やブレンドなどの細かいリクエストにも対応する。すでにファンができ、「後味が心地よく良い香りが残る」「コーヒーを飲まなかった夫が毎日のように飲む」などと評判だ。

 大須賀さんは2020年7月に淡路島に移住した当初、「俳優業は潮時か」「新たな人生を踏み出そう」と考えていた。しかし、農家でアルバイトを始めた直後、作業中に脚立から転落し大けがを負った。

 気落ちしていた頃、島内唯一の映画館「洲本オリオン」(同県洲本市本町5)の野口純子さん(80)に言われた。「俳優なら映画を撮っては」。コロナ禍でイベントを開けず頭を悩ませていた野口さんの持ちかけに、「思いもかけなかった出会い。天命なのか」と引き受けた。

 こうした交流の末に開業したカフェ。自宅の居間も飲食スペースとして開放している。大型スクリーンがあり、映画やドラマを楽しむこともできる。大須賀さんは「映画や演劇が好きな人が集まり、新しい作品を生む拠点にしたい。ここを舞台に短編の続編も撮りたい。地域の店や人をPRする映像を発信し、活性化の手助けをしたい」と思い描いている。

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