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トラックの水槽からいけすへサクラマスの稚魚を移す作業。水温や酸素濃度を測りながら慎重に行う=南あわじ市福良丙
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トラックの水槽からいけすへサクラマスの稚魚を移す作業。水温や酸素濃度を測りながら慎重に行う=南あわじ市福良丙
体長約30センチのサクラマスの幼魚=南あわじ市福良丙
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体長約30センチのサクラマスの幼魚=南あわじ市福良丙

 淡路島の春の味覚「淡路島サクラマス」の養殖が、兵庫県南あわじ市の福良湾で始まった。今冬は水産会社1社が約1万2千匹を育てる。静岡県の養殖業者から幼魚を仕入れ、福良湾で重さ1キロ以上にする「ご当地サーモン」。来年3月10日から、島内の飲食店や宿泊施設がサクラマスを使った料理の提供を始める。(西竹唯太朗)

 福良湾での養殖は、目立った味覚が乏しい春の特産品をつくろうと、2015年に始まった。当初は、全て同じいけすで育てたため、小型の個体が餌を食べられず死ぬなどの失敗もあった。近年は養殖技術を確立し、仕入れた数の90%以上を出荷まで育てられるようになった。

 今冬は、昨冬より約2千匹多く仕入れ、2日に分けて搬送作業をした。トラックに積んだ水槽から、岸壁に寄せたいけすへ幼魚を放流した。水槽の真水は水温約9度。海水温は約15度。約2時間かけて順応させた後、沖合約1キロの養殖場所まで運んだ。

 円安などの影響で、仕入れ値やえさ代などは例年の2割増しという。養殖に取り組む若男水産社長で福良漁協の前田若男組合長(52)は「養殖コストが上がっているので失敗できないという重圧がある。今期の魚は大きく、丈夫そうで安心した。大切に育てたい」と力を込める。

 毎春、南あわじ市や観光業者などでつくる「淡路島サクラマスプロモーション実行委員会」が解禁日を設定し、島内を中心にPRしている。22年春のサクラマス料理の売上額は約8400万円で、新型コロナウイルス流行の影響を大きく受けた21年春の倍以上だった。来春は、島内32店舗が55メニューの提供を予定し、9千万円台だったコロナ禍前の水準を目指す。

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