淡路

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28年前に思いをはせ献杯する淡路酒探偵団のメンバーら=千年一酒造
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28年前に思いをはせ献杯する淡路酒探偵団のメンバーら=千年一酒造
搾りたての酒を瓶詰めする参加者=千年一酒造
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搾りたての酒を瓶詰めする参加者=千年一酒造

 阪神・淡路大震災の年に生まれ、復興の象徴として親しまれている純米酒「千夢酔(せんむすい)」が今年も完成し、初搾り体験会が15日、兵庫県淡路市久留麻の「千年一酒造」で開かれた。日本酒愛好家ら約30人が28年前の「あの日」に思いをはせ、搾りたての味に酔いしれた。

 千夢酔は「淡路酒探偵団」が淡路の米と水にこだわった酒造りを目指し、1995年初頭に出来上がるよう同社に仕込みを依頼した。完成を目前に起こった震災で酒蔵は壊滅的な被害を受けたが、唯一残ったのが千夢酔のタンク。職人たちは「何とかこの酒だけは」と決起し、1カ月後に完成させた。その後も復興への思いを込め、毎年造り続ける。

 同市内で収穫した酒米「五百万石」で醸造。体験会では杜氏(とうじ)の上野山善彦さんが「しっかりとした辛口の酒に仕上がった。米のうまみを味わって」と話し、全員で献杯した。参加者は新酒を味わった後、ひしゃくとじょうごで瓶詰めし、封やラベルを施して持ち帰った。

 同市の男性(74)は「自宅が半壊し避難生活をしていた頃の記憶がよみがえる。時が過ぎるのは早かった」と感慨深げ。同探偵団の高田佐登美事務局長は「28年前、完成した酒で乾杯しようとしたが、涙で誰も声を上げられなかった」と言葉を詰まらせ、「多くの人に支えられて続けることができている」と感謝していた。

 千夢酔は一升瓶が3100円(税込み)で販売される。高田酒店TEL0799・84・0078

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