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助かった男性の長男になでられるヤルク号=南あわじ署
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助かった男性の長男になでられるヤルク号=南あわじ署
男性が倒れていた側溝=南あわじ市内
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男性が倒れていた側溝=南あわじ市内

 兵庫県南あわじ市で先月、認知症の89歳男性が行方不明になった。寒さの中で側溝に倒れて動けなくなり、命の危険もあったところを、県警本部鑑識課の警察犬「ヤルク・フォン・ギフ・ハシマ号」(ジャーマンシェパード、雄、9歳、呼称キング)が発見した。今月10日、男性の家族が南あわじ署でヤルク号と対面。「感謝しかない」と、繰り返し頭をなでた。

 男性は1月29日午前9時40分ごろ、自宅前でデイサービスの迎えを待っていた際、家族が目を離した間にいなくなった。同居する長男(60)は「これまでも病院に行った後、先に帰ってしまって見失うなどの兆候があった」と話す。家族で近くを捜したが見当たらず、同日午後0時45分ごろ、同署に届け出た。

 ヤルク号は同署からの要請を受け、本部から明石海峡大橋を渡って出動した。男性の枕のにおいをかぎ、捜索を始めた。

 近隣住民が商業施設付近で男性を見たと、長男は聞いていた。午後3時前、商業施設の南東約200メートルにある側溝で、ヤルク号が男性を発見した。男性はコンクリート製の橋の下にあおむけに倒れ、自力で抜け出せなくなっていた。側溝にたまった水で全身ずぶぬれの状態だった。意識はあったが、左手に擦り傷を負い、全身の震えと嘔吐(おうと)があった。低体温症で病院に運ばれ、1日後に退院した。

 同署が今月10日、ヤルク号への感謝状の贈呈式をし、山根典靖署長は「警察犬への信頼が高まった」とねぎらった。長男はドッグフードと骨の形のおやつを贈り、「側溝は道路から1メートルほど低い位置にあって見えにくかった上、父は黒いジャンパーを着ていた。人の目だけでは気付けなかったと思う。見つからなかったら危なかった。動物好きの父が犬に助けてもらった。感謝しかない」と話した。

 ヤルク号は警察犬になって7年。県警直轄の12頭の中ではベテランに入る。淡路島外での行方不明者の捜索などで実績があり、事件の捜査でも活躍してきた。今回が9回目の表彰となり、コンビを組む県警鑑識課の長谷川数眞(かずま)巡査長(30)は「訓練では活発で元気。現場では冷静沈着。これからも頑張ってほしい」と話していた。

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