兵庫県南あわじ市は、市立小学校のうち５校で今夏から、水泳の授業に民間運営の屋内プール２施設を試験的に活用する。施設スタッフによる専門性の高い指導に期待し、学校プールを維持改修する経費の削減も図る。２０２３年度当初予算案に、民間側に支払う使用料などの事業費８８０万円を計上した。

　旧三原町内の八木、榎列、市小は同市八木寺内の「サンプール」、旧西淡町内の湊、松帆小は同市湊の「ゆとりっく」でそれぞれ実施する。両施設とも指定管理の民間業者が運営している。

　６～７月、各校の学年ごとに１回２時間の授業を５回予定している。事業費８８０万円には、プール使用料と指導料、児童が移動するためのバスの借り上げ費が含まれる。

　市学校教育課によると、市立全小学校にプールがある。規模によって異なるが、１校当たりの年間維持費は水道代や薬品代など約６０万円。老朽化に伴う改修はさらに多額の予算が必要になる。

　２施設を使うことで支出を抑え、雷雨など荒天時も授業ができる。教員の負担軽減にもつながるとする。２４年度以降も継続する方針で、同課の担当者は「２施設から遠い学校は難しいが、効果が大きいとして踏み切った。対象５校で使わなくなるプールの利活用は検討課題」としている。