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カレンデュラの花と加工した商品を前にマイスター認定を喜ぶ廣田久美さん=淡路市役所
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カレンデュラの花と加工した商品を前にマイスター認定を喜ぶ廣田久美さん=淡路市役所

 地域特産物の振興を図るため、日本特産農産物協会(東京)が認定する産地育成の指導者「地域特産物マイスター」に、淡路島特産の花カレンデュラ(キンセンカ)を栽培する兵庫県淡路市の廣田久美さん(78)が選ばれた。食用向けに有機栽培する技術や販路を確立する方法の指導役を担う。(中村有沙)

 マイスターは同協会が2000年度に始めた制度。地域特産物の栽培や加工の分野で、卓越した技術を持つ人材を認定する。県内では12人が活動。淡路島内での認定は2人目になる。

 カレンデュラは、ハーブや食用利用の場合の呼び方で、切り花用途の際はキンセンカと呼ばれる。島内は約80年前から、キンセンカ栽培の主な産地の一つ。国内では、仏花の印象が強いが、欧米ではハーブとして利用されている。

 20歳の頃から、夫婦でキンセンカ栽培をしてきた廣田さん。テレビ番組で食べられることを知り、食用栽培への挑戦を決めた。

 14年から、食用のため農薬を使わない有機栽培を本格化。「淡路島カレンデュラ」と名付けて、現在は17アールで栽培している。

 栽培を始めた当時は、島内で食用があると知られておらず、販路を確保するのに苦労した。国から補助を得て、食品乾燥機を購入。生花でも料理などに使えるが、長期間保存できる乾燥花にも加工した。市内の観光施設で販売したり、食品メーカーなどが出展する展示会で飲食店経営者らに使い道を説明したりして、地道なアピールを続けた。

 現在は島内外の飲食店で使われているほか、花に含まれている成分が肌に良いとして、化粧品メーカーへも原材料として販売。化粧水やハンドクリームなどに使用されている。

 栽培している農地では、観光客向けに摘み取り体験の機会を設け、自宅敷地内には工房も開いた。自身が加工したハーブティーの試飲や、メーカーが販売している化粧品の体験ができるようにし、カレンデュラの知名度向上に力を入れている。

 今回のマイスター認定に廣田さんは「最初は在庫が残る日々が続いた」と振り返りつつ「最近は知ってもらえるようになったが、島内で作っている農家はまだ少ない。カレンデュラに関する技術や知識を広めて、淡路島で産地を消滅させないようにしたい」と意気込んだ。

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