山陽自動車道の「尼子山トンネル」内で炎上するトラック=5日午前(兵庫県警高速隊提供)
山陽自動車道の「尼子山トンネル」内で炎上するトラック=5日午前(兵庫県警高速隊提供)

 5日午前1時ごろ、相生市と赤穂市にまたがる山陽自動車道尼子山トンネル内の西行き車線で、大型トラックから出火した。視界不良で後続のトラックと乗用車計9台が絡む追突事故が発生するなど、計8人が病院に搬送された。いずれも命に別条はないという。

 兵庫県警高速隊によると、現場は片側2車線。トンネル内に煙がこもって消火活動が難航し、5日午後11時半の時点で播磨ジャンクション-赤穂インターチェンジ(IC)の間で上下線とも通行止めとなっている。

 出火したトラックは走行中に「バーン」という音がし、停車直後に炎が上がったという。運転手にけがはなかったが、追突事故で別のトラックの運転手が両脚を骨折するなど、30~50代の男性4人が重軽傷。また、付近で車を降りて避難した男性4人が煙を吸い込んで軽症だった。

 県警高速隊などによると、トンネル内では火災の影響で照明が消え、天井などのコンクリート片が落下、飛散するなどした。炎上したトラックのそばに停車した複数の車にも延焼して煙が充満し、視界が悪い状態が続いた。このため、西はりま消防組合は、強力な送風機を荷台に積んだ「ブロアー車」の出動を神戸市消防局に要請。午後2時すぎから稼働し、排煙作業と並行して放水したという。