洋菓子大手のモロゾフ(神戸市東灘区)が、クッキーを中心とした焼き菓子事業に力を入れている。主力のチョコレートが原材料のカカオ豆高騰や夏の暑さの長期化の課題に直面する中、季節を問わず安定した需要が見込める焼き菓子を成長の柱に育てるとし、新ブランドを次々と投入。若年層など新たな顧客層を開拓している。成否の鍵を聞いた。(谷口夏乃)
同社は2020年以降、バター入り焼き菓子の専門店「ガレット オ ブール」を設けたほか、カスタードを使ったスイーツに特化した「CUSTA(カスタ)」などの新ブランドを相次ぎ投入した。モロゾフブランドと切り離して目新しさをアピール。接点が少なかった10~20代の若年層を取り込めているとし、早ければ本年度中にも2ブランドの新設を予定する。
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主力のチョコレート事業では、主原材料のカカオ豆が24年、1トンあたり1万ドル超と従来の平時から5倍近く高騰する「カカオショック」があった。気候変動や生産国の政情不安が背景にあり、26年に入って一時3千ドル台まで下がったものの再び上昇に転じ、5千ドル前後となっている。同社は23年度から25年度にかけて原材料費負担が約30億円増え、利益を圧迫している。
さらに、夏の暑い時期が延びて年間の販売期間が短くなった。もともと品質維持の観点で夏場にほぼ販売しないためだ。近畿圏では約20年前と比較して出荷時期が約3週間後ろにずれ込んでいる。
「気候に左右されず、年間を通して販売できる焼き菓子を強化する流れになった」と、マーケティング本部の筱岡将信商品企画部長。成否の鍵は、バレンタインシーズンにチョコレートを多ブランド展開する中で培った商品開発力という。味やパッケージデザインに応用する。また、自社工場での一貫生産でコストを抑えて価格競争力につなげるとする。
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25年度の同社の焼き菓子の売上高は、21年度の約1・5倍に伸びた。中期経営計画では、創業100周年となる31年度、連結売上高を25年度比で約47億円増の410億円にする目標を掲げ、成長の大半を焼き菓子に期待する。
モロゾフブランドでも22年以降、「ティーブレイク」など焼き菓子の新商品を拡充した。昨年、9月9日を焼き菓子の記念日「ベイクフルデー」と打ち出し、日本記念日協会に認定された。イベント期間を設けて需要の掘り起こしを図る。
土産向けも強化する。今年に入り、大阪・通天閣の再建開業から70周年を記念した商品を企画。サブレなどを売り出して好調という。長野では、七味唐辛子メーカー「八幡屋礒五郎」とコラボして七味をアクセントにしたナッツクッキーを作り、福岡では特産イチゴ「あまおう」を使ったラングドシャを販売する。
生産体制の強化へ、西神工場(神戸市西区)の改修や千葉・船橋の新工場建設に約83億円を投資。それぞれ新たな製造ラインを導入し、今年3月から順次稼働している。磯野健治専務は「27年半ばぐらいから(需要の取り込みによる)増収効果で利益を取り返していく」と話す。























