兵庫県知事選
6月15日告示 7月2日投開票
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保育士や看護師に見守られ、病児保育室で過ごす子どもたち=神戸市灘区岩屋中町4、「片山キッズクリニック 病児保育室プエリ」
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保育士や看護師に見守られ、病児保育室で過ごす子どもたち=神戸市灘区岩屋中町4、「片山キッズクリニック 病児保育室プエリ」
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 15日に告示が迫る兵庫県知事選で、子育て支援は重要な争点の一つだ。中でも共働き家庭にとって、子どもの体調が悪い時の預け先確保は切実な問題になっている。病気や回復期の子どもを一時的に預かる「病児・病後児保育事業」の充実を望む声は少なくないが、施設がゼロの淡路島をはじめ、現時点で12市町が“空白地”となっている。(中島摩子)

 神戸市内で働く会社員女性(41)は、小学5年の長男(10)と保育園に通う長女(3)が、インフルエンザや風邪による発熱、水ぼうそう、下痢など体調を崩した時に同市内の病児保育室を利用してきた。

 夫は急な休みを取りにくく、祖父母も高齢や体調不良のため頼るのは難しい。女性が仕事を休んで看病する日もあるが、「職場では人が減って一人一人の負担が重くなっており、休みにくい雰囲気。それにお客さんは待ってはくれない。病児保育室は働く上でなくてはならない場所」と話す。

 病児・病後児保育事業は、市町が各施設に委託し、基本的に国、県、市町で運営費の補助金を分担する。兵庫県こども政策課によると、県内の病児・病後児保育施設は本年度、29市町に計58カ所で、8年前と比べ30カ所増えた。昨年度の利用者は延べ約2万5千人だった。

 その一つが、JR灘駅や阪神電鉄岩屋駅に近い「片山キッズクリニック 病児保育室プエリ」。小児科併設で2004年11月にオープンし、平日午前8~午後7時に預かる。基本利用料は1日2千円と食費500円。昨年度は延べ1847人が利用した。

 ここでは、風邪の子らが保育士と遊んだり、昼寝をしたりし、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の子どもらには隔離室もある。手作りの昼食やおやつを提供し、必要があれば点滴やレントゲン撮影、血液検査などもするという。

 片山啓院長(64)は「働く親にとって大事なことは、子どもが安心できる環境にいるかどうか。病児保育室では、医師と看護師、保育士、管理栄養士のプロ集団が、より良いケアに努めている」と説明する。

 県は「子育て世帯のセーフティーネット」と事業推進を掲げ、本年度当初予算では、運営費の補助に約2億9千万円を計上。職員の配置基準を緩和した県独自の事業も用意するなど、全県展開を掲げる。

 しかし、「当日のキャンセルが多く、感染症の流行や季節で利用が偏るなど、運営は容易ではなく、保育士の確保も難しい」と県の担当者。神戸市など都市部に集中する一方で、郡部では開設が遅れている。

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