
兵庫県知事選(7月2日投開票)で、17日間の選挙期間中、最後の日曜日となった25日、4人の立候補者は人出を求めて神戸・阪神間で声をからした。選挙戦最終盤は連日の梅雨空が予想されているが、各陣営とも「雨の中でも粘り強く訴え続ける」と気を引き締めていた。
新人の勝谷誠彦氏(56)は西宮、芦屋市内の商業施設や期日前投票所の周辺を巡った。阪急西宮ガーデンズ前では現職の多選批判を展開。「今日も期日前投票ができますから、行ってください」と訴えた。夜には、インターネットの会員制交流サイト(SNS)の利用者も意識し、フェイスブックなどで作家との対談をライブ配信した。
現職の井戸敏三氏(71)も阪神間を重点的に回り、川西、伊丹、宝塚市などの駅前やショッピングセンター近くで演説。阪神西宮駅前では24日の陸上日本選手権の男子100メートル決勝に触れ「雨で9秒台が出なかったが、私は雨に負けず、しっかりとダッシュを切りたい」。夕方には尼崎中央商店街などを練り歩き、買い物客らと握手を交わした。
神戸市内を中心に動いたのは、新人の津川知久氏(66)。三宮や元町などで、給付型奨学金制度の創設や最低賃金1500円の実現を訴えた。有権者が「幼児教育を充実させてほしい」と声を掛けると、手を握って「私も元教員。必ず力を入れていく」と強調。安倍政権批判も重ね「改憲反対を打ち出している陣営はほかにない」と呼び掛けた。
新人の中川暢三氏(61)も、神戸・三宮と元町の繁華街での訴えに集中した。午前中は傘を差して、街頭で活動。夕方には三宮センター街の入り口付近に立ち、有権者の関心が高いとみる「ペットの殺処分ゼロ」にテーマを絞って公約を力説した。買い物客らが足を止めると一緒に写真も撮り、「身近な候補」をアピールした。