兵庫のニュース
  • 印刷
選挙の「顔」として安倍晋三首相を前面に押し出した自民党のポスター=神戸市内(撮影・辰巳直之)
拡大
選挙の「顔」として安倍晋三首相を前面に押し出した自民党のポスター=神戸市内(撮影・辰巳直之)

 参院選では、6年半にわたる長期政権となった安倍政権への評価も争点だ。第1次安倍内閣はわずか1年で2007年9月に退陣したが、12年に返り咲きを果たし、安倍晋三氏の首相在職日数は通算で歴代最長に迫る。アベノミクスや働き方改革などの看板政策の陰で、政権運営には「忖度(そんたく)」や「1強支配」など負のイメージもつきまとう。長期政権の光と影を、兵庫県内の有権者が見極める。

 「街の人通りは、断然増えたと思うけど…」

 訪日外国人を乗せた客船が接岸する神戸港に近い神戸元町商店街で、婦人服店を営む女性(46)は、12年末に始まった「アベノミクス」後の変化を振り返る。

 第2次内閣発足時に1万230円だった日経平均株価は、5日終値で2万1746円に。有効求人倍率(季節調整値)も、0・83倍から19年5月に1・62倍へ上昇。13年に1千万人を超えた訪日客数は、18年に3千万人を突破した。

 ただ「以前のように『爆買い』する外国人を見なくなった」と言うのは、同商店街でブティックを家族経営する女性(46)。周辺は近年、マンション建設が相次ぐ。「住民や訪日客が増えても、あまり消費や景気が良くなった実感はないかな」。2人は口をそろえる。

     ◆

 「国有地払い下げ問題は、普通の内閣なら吹っ飛んだはず。ダメージコントロールに長(た)けている」

 学校法人「森友学園」に格安で国有地を売却し、財務省が関連文書を改ざんした問題を追及してきた神戸学院大の上脇博之教授(60)は、こう評する。

 約6年半の間には、閣僚の失言なども続いたが、堅調な支持率を保つ。現在、自民党内を見渡しても取って代わるほどの存在感があるライバルはおらず、「安倍1強」と呼ばれる盤石の権力基盤を築いている。

 森友問題では「官僚による官邸への忖度」も焦点となった。上脇教授は、忖度が生まれる背景に、府省庁の幹部人事を一元管理する制度を挙げる。「官邸に人事を握られ、直接の圧力がなくても官僚が忖度を強要される制度」と批判。「参院選は安倍内閣の本質を問う選挙」と注目する。

 “国の羅針盤”ともいえる統計でもゆがみが生じた。厚生労働省は、裁量労働制の不適切データ問題に続き、毎月勤労統計でも不正をしていたことが発覚。「統計の信頼性が揺らいだら、適切な政策をつくれず、働く人の命を守れなくなる」。過労が原因で息子を亡くし、労災認定された西垣迪世(みちよ)さん(74)=神戸市=は憤る。

 過労死を防ぐ法律制定に奔走した西垣さん。安倍政権下で法制化され、関連統計を盛り込む過労死等防止対策白書を厚労省がまとめる。西垣さんは「官僚が職責を全うできる環境づくりは、誰が首相でも、与野党を問わず、政党や政治家の責任」と指摘した。(段 貴則)

兵庫のニュース
一覧

天気(10月27日)

  • 23℃
  • ---℃
  • 10%

  • 20℃
  • ---℃
  • 50%

  • 23℃
  • ---℃
  • 10%

  • 23℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ