神戸市内で、同一個体とみられるサルの目撃情報が急増している。2025年度の市の統計によると、前年度比2・4倍の1070件に上り、1日に3件近い通報が寄せられている計算になる。人がかみつかれる被害も続発しており、市が注意を呼びかけている。(池田大介)
神戸市によると、「鳥獣相談ダイヤル」に寄せられたサルの通報は、23年度の74件から、24年度は448件、25年度は1070件と大幅に増加。25年度は、中央、灘、東灘の3区を除く6区で1年間を通じて目撃され、北区が677件で最も多かった。
市は、サルの特徴や目撃地点の移動情報などから、通報の大半が同一の個体だとみている。群れを離脱した「ハナレザル」が人に慣れ、市街地に現れるようになった可能性があるという。
23、24年度は確認されていなかった人への危害も、25年度は16件あった。子どもや女性が追いかけ回されたりかみつかれたりする被害が多く、持ち物を奪われたケースはない。市の担当者は「人を怖がって逃げるサルもいる中で、自分より弱いと判断した相手を襲う攻撃的な性格の個体なのではないか」と指摘する。
市は、通報があった現場に職員が網を持って駆け付けているが、俊敏で広範囲を移動しているため捕獲には至っていない。わなも仕掛けてはいるが、出没頻度の高い市街地は子どもが触れるなどのリスクがあり、人けのない場所への設置に限られているという。
市の担当者は、「神戸市内だけでなく、阪神、播磨地域にも出没しており、対応に苦慮している。追い払いなどを粘り強く続け、被害を最小限に食い止めたい」としている。
■神戸市「サル刺激しないで」 餌付けも厳禁
神戸市は、市内各地で相次ぐサルの目撃情報を市のホームページに掲載して注意を呼びかけている。人に慣れており、危害を加える恐れがあるため、出くわしたときの対策も合わせて紹介している。
市の担当者が強調するのが「絶対にサルを刺激をしないこと」。追いかけたり写真を撮ったりするだけでなく、大きな声をあげる▽不用意に近づく▽目を合わせる-などの行為も避けるべきという。
もし出合ったら、気付かれないように距離を取り、安全を確保した上で市の鳥獣相談ダイヤル(TEL078・333・4408)に通報する-。これが、最善の行動という。
人との距離感をさらに縮め、市街地の定住につながる餌付けも厳禁。家に入ってくる恐れがあるため、窓やドアの施錠の徹底も呼びかける。
兵庫県内では、加古川市で児童2人がサルに襲われるなど神戸と同一の可能性がある個体が各地で出没。各市町も、担当部署などでサルの通報を受け付けている。
























