豊岡市但東地域の農村舞台で上演した「但東さいさい」=豊岡市但東町久畑
豊岡市但東地域の農村舞台で上演した「但東さいさい」=豊岡市但東町久畑

 兵庫県豊岡市を中心に但馬全3市2町で多彩な舞台芸術プログラムを繰り広げた「豊岡演劇祭2026」が27日、閉幕した。今年も劇場のほか、寺社や建設中のトンネル、図書館など、さまざまな場所が舞台となり、国内外から大勢が足を運んだ。(大高 碧)

 6回目となった今年は、シルバーウイークと重なり、10日間の会期中に約80演目が繰り広げられた。

 恒例となった烏丸ストロークロック×但東の人々による「但東さいさい」は、同市但東地域の農村舞台で地元の子どもたちがオリジナルの神楽を披露した。

 但東中学校3年の衣川空希(そらね)さん(14)は、三番叟(さんばそう)を舞い「念願だった。ずっと見ていた通り大きく踊れた」と笑顔をみせた。

 プロと市民で共作したんまつーポスによる養父市のダンス公演「からだ・からだ・からだは毎日語りかけている」、新温泉町で開通前のトンネル内を観客と歩くHumpit(ハンピット)のパフォーマンス「ただでは向こうへ行けない」、但馬を題材に私道かぴ/安住の地が香美町の寺院などで演じた「たぢまのくにの」、障害者らがやってみたい役に挑んだ豊岡市の公演「ひょっこりシアター」などが、秋深まるまちにアートの彩りを添えた。

 俳優小菅紘史さんとチェロ奏者中川裕貴さんの人気演目「山月記」は、朝来市内の図書館で実施した。市内外から約130人が訪れ、書籍に囲まれた空間で虎になってしまった男の世界観に浸った。

 小菅さんは、今年で但馬全市町での上演を果たしたといい「普段、車で通り過ぎるような場所でも人がとどまり、できることはたくさんあると実感した」と振り返った。

 演劇祭実行委員会の「フェスティバルナイトマーケット」は、豊岡市役所周辺などで銅像や彫刻のように立ち振る舞う大道芸「スタチュー」などのストリートパフォーマンスが展開され、出店の飲食を楽しむ人と併せてにぎわった。