灘マンスリー
水道筋商店街の「夜の顔」は、味酒乱(ミシュラン)ツアーだけではない。うどん屋がライブハウスに変身したり、夜な夜な登山愛好家が集まる焼き鳥店があったり。「あ~」。水道筋の夜は奥深い。(末吉佳希)
◇月2回、味なライブ開催 うどんな也
「うどん な也」(灘区水道筋2)は月に2回、閉店後、うどんをすすりながらジャズやブルースを楽しめる「NA-Ya」に変身する。学生時代からバンド活動をするなど、大の音楽好きの経営者・永井和浩さん(54)が、「夜の商店街に活気を」との思いで約10年前に始めた。
6月下旬、店をのぞくと、アフリカ・ジンバブエの伝統舞踊を発信するグループ「ジャナグル」の7人が民族ダンスや日本の童謡など全5曲を歌って踊っていた。公演後には、ジャナグルメンバーと観客が交流を深めるひとときも。
母親(38)と参加した女児(4)=同区篠原南町6=は、ジャナグルの激しいステップや、力強い太鼓演奏に触発され、椅子に立ち上がっては両手を左右に振ったり、大きな声で「イエイ」と叫んだりするなど大興奮だった。な也TEL078・801・7801
◇登山愛好家の楽園 焼き鳥「チンタ」
登山愛好家が毎夜、焼き鳥バー「チンタ」(灘区水道筋2)に集まっては、山を知り尽くした店長殿本真一さん(50)との会話に花を咲かせる。アウトドアはもちろん、近所のうわさや「山ガール」(アウトドア趣向の女性)の恋愛相談などさまざま。ただし、仕事の愚痴は歓迎されない暗黙のルールがあるのだとか。
全国各地の山に足を運んだり、ハワイでダイビングしたり、殿本さんのアウトドアにかける思いは計り知れない。店の壁や天井は、マラソンのゼッケンや、全国の山々が描かれた手拭いなどで覆い尽くされる。
カウンターからドリンクを手渡す時には決まって「お疲れさん」という一言が添えられ、心温まる。1日数食限定の親鶏の網焼き「ニンジャチキン」は程よい歯ごたえと塩加減でお酒がすすむ絶品だ。
常連客の男性(44)=東灘区=は「遊びに一生懸命な店長に会いたくて、ついつい足を運んでしまう。ここは新しい発見が見つかるすてきな遊び場」と話す。店を出たのは午後11時ごろ。「山、登ってみるか」。六甲山を見上げて家路についた。チンタTEL078・882・2050
2018/7/21灘・水道筋 街の人はどこが好き?2018/8/10
ロシア料理と和スイーツ 水道筋で人気の二店2018/8/10
アクセル全開で新聞お届け 急坂と戦う本紙配達員2018/8/9
灘高架下、町工場から「アート村」に変貌 神戸2018/8/8
玩具花火5千発打ち上げ 父親らが作る子ども達への花火大会2018/8/7
新聞の支払い、あえて選ぶ集金 その理由は…2018/8/4
炭火焙煎、薪で焼いたパンをヒントに 創業90年の萩原珈琲2018/8/3
ネーミングに秘話… 神戸の「プリンセスソース」2018/8/2
神戸・水道筋掃除して26年 ほうき手に洋服店会長2018/8/1
インドア派も気軽に摩耶山 多彩な「マヤカツ」2018/7/31
早朝の景色に「ほっ」 摩耶埠頭方面を一望2018/7/28
水道筋と沖縄を歌でつなぐ 民謡歌手・竹下育さん2018/7/30
水道筋・老舗の味【下】和菓子「美吉堂本舗」 伝統に工夫加え87年2018/7/26
水道筋・老舗の味【中】コロッケの水野家 変わらぬ味で60年2018/7/25
水道筋・老舗の味【上】洋食店・千疋屋 義父と夫の“秘伝”継ぐ2018/7/24
神戸初、灘中央市場に防災空地へ取り組み2018/7/23
とってもディープな水道筋商店街の「夜の顔」2018/7/21
水道筋飲食ツアー 密着取材で飲みすぎて…2018/7/20
夜の水道筋・大人ツアー「味・酒・乱」密着取材2018/7/19
水道筋は「巨大なデパ地下」 450店が軒連ね千円あれば満腹2018/7/18