ゴールデンウィーク中の人の移動を可視化したマップが大きな注目を集めている。「この大型連休に人々はどこへ向かっていたのか、国交省の交通量オープンデータから視覚化しました」と件のマップを紹介したのはデータとプログラミングによる文化研究室「徒然研究室」さん(@tsurezure_lab)。
これによると4月29日から5月6日までのゴールデンウィーク期間の交通量は、北海道、東北、中国地方で増加し、全国平均で通常期比の約23%増だったそう。
一方、関東・甲信越を除く首都圏の増減率はほぼゼロ。特に世田谷区付近の国道246号など都内の国道では11~12%減と明確な減少が確認され、行楽地への流出がうかがえたということだ。
徒然研究室さんに話を聞いた。
ーーこのテーマに興味を持った経緯を。
徒然研究室:コロナ禍以降、物価高騰もあって日本人の海外旅行が回復しきっていないなか、大型連休に人々がどんな工夫をして、どこで非日常を楽しもうとしているのかに関心がありました。「GWに人気の旅行先ランキング」のようなアンケート調査はたくさんありますが、本当にそこに行くかどうかはわかりません。混雑する行楽地からのテレビ中継のような情報も、断片的なものです。
そこで「人間が実際に行動した足跡を、俯瞰(ふかん)して可視化することはできないだろうか?」と考え、昨年5月12日から国土交通省によって公開が開始された、全国の直轄国道において機械観測されている方向別交通量が取得可能な交通量データを使ってみようと思いつきました。
直轄国道に限ったもので、飛行機や鉄道はカバーされませんが、「自動車での移動」は、ある程度正確に把握することができます。
ーーマップを作成する中で、あらたに気付いたこと、興味深かったことは。
徒然研究室:このデータでは、1時間ごとの交通量を、現在時刻の約20分前から過去3カ月分までを対象として取得できます。プログラミングを使えば、全国規模の人の移動の実態に、ほぼリアルタイムで、個人でも触れられるようになったことに、嬉しさと感動を覚えます。こうしたデータを蓄積して分析を深めていけば、旅行や移動に対する自分の思い込みをひっくり返すことにもつながりそうです。
時間帯別の分析をすると、朝6~7時が唯一の減少帯(-7~-8%)となった一方、深夜0時・23時および昼間10~14時が+30~+40%台と高くなっていたのも少し意外でした。GWらしい行楽型の行動パターンといえばそうですが、逆に言えば普段は早朝から移動している人がけっこういるのだな、と実感し、そうした時間帯に働く人たちの存在にも気づかされました。
ーー投稿に大きな反響がありました。
徒然研究室:連休の最終日夜に投稿するやいなや、非常に多くの地元民や訪問者が「うちの地域はこうだった」と実体験を重ね、データとの一致を語ってくださいました。ご自身の連休中の過ごし方と重ね合わせたりしながらリポストしてくださり、会ったことのない無数の方々の、思い思いの連休の過ごし方が伝わってきて、幸せな気持ちになりました。
自分がデータだけを通じて分析していた、知らない土地、行ったことがない土地やその道路について、こうした形で魅力やその実態を知ることができるのは、本当に勉強になります。
◇ ◇
SNSユーザーたちから
「フランスで夏のバカンスにパリに人がいなくなるみたいに、関東から人がいなくなってて面白いですな」
「奈良はやはり奈良市と京奈和道しか混んでないな」
「時間帯別の変化が非常に興味深いですね。朝が減り深夜や昼が増えるのは、ひょっとしたら移動そのものを楽しむ『心のゆとり』の表れかもしれません。効率重視の日常から離れ、自分のリズムで休日を過ごす。そんな行動心理を知ることは、混雑を避ける賢い暮らし方にもつながりますね」
「これ『車がないと行けない観光地マップ』だね。赤濃いめの東北でも仙台は青い。広島市も。逆に関東でも千葉の南端は赤い。ただ、車がないと厳しそうな日光が伸びてないのが不思議。人気がないとも思えないが…」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。読者のみなさんはゴールデンウィーク中、どんな移動をしていただろうか?
徒然研究室さんは日々、SNSやnoteでポップカルチャーから選挙まで幅広いテーマをデータを用いて分析・可視化している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)























