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阪神・淡路大震災の体験を伝え、教訓を発信する総合防災施設「人と防災未来センター」(河田恵昭センター長、神戸市中央区)が二十七日、オープンし、訪れた来場者が十八万点に及ぶ震災資料の展示などに見入った。
同センターは、資料の収集・展示をはじめ、防災の総合的な研究などを目指し、兵庫県が整備。特に展示機能には力を入れ、被災地内外に「命の尊さ、防災への備え」を訴えていく。
グランドオープンとなったこの日、開館前から入り口には約七十人が列をつくった。震災が起きた一月十七日にちなんで、先着百十七人には救急セットなどの防災グッズを記念品として配布した。最初の団体客は加西市・両月町子ども会二十六人だった。
語り部ボランティアで、神戸市灘区の自宅で三時間埋もれた経験を持つ津久井幸子さん(72)は「話すことで命の大切さや普段の心構えを再認識してもらえれば。経験していない人にも生の声を聞いてほしい」と話している。
2002/4/27