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(5)岩田健三郎 「震災から一〇〇日目」より
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「震災から一〇〇日目」より 1995年、絵本原画
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「震災から一〇〇日目」より 1995年、絵本原画

「震災から一〇〇日目」より 1995年、絵本原画

「震災から一〇〇日目」より 1995年、絵本原画

 「僕の中では、まだ震災が続いている」。姫路市に住む版画家の岩田健三郎さんは今もそう語る。

 あの日、自宅は震度4に揺れた。被害は軽微だったが、体が揺れを記憶している。神戸で見た光景が脳裏に重なる。

 多くの知り合いが被災した。連絡が取れなくなった人、震災が「過去」になったという人…。さまざまな「復興」をそばから見続けた。

 震災の前も後も毎月、手がきの絵と文を「へらへらつうしん」として全国に送り届ける。絵本「いのちが震えた」(「震災から一〇〇日目」)は、その中から生まれた。

 「僕の絵は今もそんなに変わってない。でも花一本描くにも、命がいとおしくなったなぁ」

 人それぞれの十年。「いろんなことがあったやろうけど、みんな、仲良くやろうや」。そんな思いを作品に託す。

 あの時、わたしの住んでいる姫路は家がゆれたくらいだった。テレビをみてびっくり。友人・知人を思った。訪ねていきたかったが、すぐには行けず十日目にようやく。はたで見ていただけやが、神戸の人たちのがんばりに“命が震える”感動をした。人と人とのつながりが、あったかい。そのことを教えられ、いまも。

メモ

いわた・けんざぶろう

 1947年姫路市生まれ。版画集「あぜ径」など。自宅近くに夫婦で水上村・川のほとりの美術館を開設。同市在住。

2004/12/16
 

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