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(2)阪神港始動 集荷へ問われる「国策」
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週5便の釜山航路が就航する敦賀港の国際コンテナターミナル=福井県敦賀市金ケ崎町 週5便の釜山航路が就航する敦賀港の国際コンテナターミナル=福井県敦賀市金ケ崎町
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週5便の釜山航路が就航する敦賀港の国際コンテナターミナル=福井県敦賀市金ケ崎町

週5便の釜山航路が就航する敦賀港の国際コンテナターミナル=福井県敦賀市金ケ崎町

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 10月1日、阪神港(神戸、大阪港)の司令塔が始動する。コンテナバース(岸壁)を管理運営する神戸港埠頭(ふとう)と大阪港埠頭が統合し、「阪神国際港湾株式会社」が誕生する。

 国は今回、神戸市、大阪市とほぼ同じ割合の3分の1を出資し、経営に携わる。国出資の港湾運営会社は国内初だ。国際コンテナ戦略港湾に指定された阪神港を後押しする態勢を取る。

 「国の強力な支援を得て広域から貨物を集め、基幹航路を維持、拡大する」と神戸市長久元喜造(60)。大阪市長橋下徹(44)は「韓国・釜山港に(地方港から)貨物が流れている。西日本の貨物を阪神港で集荷したい」。国、自治体のタッグで競争力を高めるという意気込みがにじんだ。

     ◇

 港湾政策は「分散」から「集中」へ大きくかじを切ろうとしている。

 コンテナ荷役が始まった1960年代、神戸など主要港では国と自治体が専用岸壁などを整備した。82年、行政改革で国が手を引き、管理運営は自治体に委ねられた。

 地方港では「地域振興」の名目で専用港が整備された。コンテナ船の国際定期航路を持つ港は全国で62。うち54港に毎週計200便以上の韓国航路の船が入る。貨物は神戸や横浜ではなく、釜山で欧米航路に乗るケースが目立つ。補助金を出す自治体もある。

 「極めてコストの高い釣り堀(港湾)が国内に点在している。日本の港は圧倒的に遅れている」。2009年10月、横浜港を視察した国土交通相(当時)の前原誠司(52)が、地方港を造りすぎたこれまでの港湾政策を批判。拠点港に重点投資し、国際競争力を高めるとぶち上げた。翌10年、阪神港と京浜港(東京、横浜、川崎港)を国際コンテナ戦略港湾に指定した。

     ◇

 「24時間、365日稼働し、発展を続ける釜山港と結ばれているのが敦賀の最大の強みだ」。福井県の敦賀港を拠点にする敦賀海陸運輸常務、藤田紀雄(65)が力説した。

 入り江の奥にある国際ターミナルには専用岸壁やガントリークレーンを備え、韓国、中国と定期航路を持つ。

 地元最大の工場、東洋紡敦賀事業所は長年、原料や製品輸出入に神戸港を使っていたが、10年の国際ターミナル完成を前に年間約1500個を釜山港に振り替えた。13年は2700個に増やした。距離、時間、コストから「釜山で大型船に積み替えた方が効率的」(藤田)なのだ。

 神戸港のコンテナ貨物は阪神・淡路大震災以降、一度も震災前水準に戻っていない。失われた貨物を取り戻せるか。機能集中の「阪神港」の真価が問われる。=敬称略

(高見雄樹)

      ◇

〈国内の港湾〉 全部で994港。神戸、大阪、東京など5港が国際戦略港湾。姫路、名古屋、広島など18港が国際拠点港湾、東播磨、敦賀など102港が重要港湾。それ以外が地方港など。位置づけに応じて補助金が決まる。

2014/6/25
 

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