論ひょうご

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 エネルギーと環境の視点で地域や経営の課題をとらえ、時代が求める新しいデザインを描く-。そうした人と情報のプラットフォームとなる「地エネと環境の地域デザイン協議会」が発足した。

 設立シンポジウムには、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に取り組む企業や協同組合、金融機関、自治体、大学研究者、市民ら130人が参加した。

 環境エネルギー政策研究所の飯田哲也(てつなり)さんの基調講演では、急拡大する自然エネルギーが引き起こす世界の大変革が紹介された。

 風力、太陽光が設備容量で原子力を抜き去り、各国で自然エネルギーは最も安い電気となりつつある。それに蓄電池、電気自動車を組み合わせた新しいエネルギーインフラと交通システムの開発競争が進む。変化の大きさはスマートフォンの普及がもたらしたもの以上になるかもしれない。

 主催や事務局を担う神戸新聞社の一員としてコーディネーターを務める中で、自然エネルギーの重要性を改めて感じたのは、石油中心の「エネルギー地政学」を大きく変えていることだ。

 中東に集中する石油資源は、対立や紛争を招く国際社会の不安定要因となってきた。各国が自前の自然エネルギーを増やすほど、中東への依存度は下がり、戦争と世界経済のリスクを減らすことができる。発展途上国では貧困を改善する有力な手段となる。

 資源を輸入に頼る日本や欧州、南アジアなどは、赤字だったエネルギー収支を大幅に改善できる。

 同じことは地域にも当てはまる。地場産の自然エネルギーは新たなお金の循環を生み、地域の自立力が高まる。

 重要なのは、地元資源から生まれる地域エネルギーの利益を地域でしっかり確保することだ。外部資本の開発で、地域の恵みを域外に持って行かれることがないよう、まず住民、自治体、企業が自分たちの資源に対する権利意識を高める必要がある。

 実はそれが、日本の自然エネルギー事業の大きな課題となっている。このため、協議会では地域エネルギー資源と使い方を知る人材の育成も目標としている。

 分科会や地エネツアーなどで質の高い情報を共有し、地エネで自立力を高める発想を広げる。そこから世界の平和と繁栄を目的としたSDGsに地域や企業がつながる取り組みにしていきたい。

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