特殊詐欺の被害を防いだとして、兵庫県警明石署は6日、セブン-イレブン明石二見町店(明石市二見町東二見)の店長、神林厚子さん(58)に署長感謝状を贈った。同店オーナーで夫の強命(きょうめい)さん(57)も7月、同様の犯罪被害を未然に食い止めたとして同署の表彰を受けており、蓮井賢一署長は「防犯意識が非常に高いからできることだ。勇気を出してくれてありがたい」と夫婦の貢献をたたえた。
同署などによると、8月29日午前11時ごろ、同店を訪れた70代の男性が「ゲームなどに使うカードはあるか」と従業員に尋ね、4万円分の電子マネーを購入。不審に思った厚子さんは、従業員に「もう一度電子マネーを買おうとしたら私に教えてほしい」と伝えたところ、30分後に男性が再び来店。4万円分の電子マネーを買おうとした男性を引き留め、警察に通報した。
「最初の来店時に引き留められていれば」と唇をかむ厚子さん。不審に思ったときに声を掛けても聞き入れられないこともあるが、「怒られても言い続けないと」と強命さんと2人で粘り強く声掛けをしているという。特殊詐欺被害が後を絶たない中、「責任ある立場として、従業員に見本を示したい」と口をそろえた。(有冨晴貴)