特殊詐欺防止は粘り強い声かけから-。被害を未然に防いだとして兵庫県警明石署は30日、ローソン大久保インター南店(同県明石市大久保町大窪)の店員2人に感謝状を贈った。「詐欺でない」と信じ切っている人の中には逆上するなど対応が難しいケースもあるが、これからも被害防止に手を尽くしていくという。
同署などによると、3月2日午前、市内に住む50代の女性が1人で来店して電子マネーカード1万円分を購入しようとした。対応した飯田いずみさんは、以前同店で特殊詐欺被害に遭ったことのある人だとすぐに気付いた。
女性は以前から頻繁に1万円ほどの電子マネーカードを同店で購入。2月には10万円分を買おうとし、飯田さんと湯浅恵利子さんが説得して通報、被害を防いだ。同署員から被害総額はすでに約90万円に上ると聞いていた飯田さんは今回も「以前の件もありますのでお売りできません」と、女性を帰した。その後、2人から報告を受けた同署員が女性宅を訪れて被害を未然に防いだという。
女性は、インターネットで投資関連の話題を見て、その参加費として電子マネーを買っていたという。
湯浅さんは「被害に遭う人は信じ切っている人が多い。逆上されることもあり説得が難しい」と話す。実際、2月に対応した際、女性は「絶対に詐欺じゃない」と取り合ってくれなかったという。飯田さんは「どうにかしたいという思いが強い。嫌な思いをすることもあるけど、これからも声かけを徹底したい」と笑顔を見せた。(領五菜月)