タップダンサーの江口祥子さん=兵庫県明石市=が、明石で初めてのタップダンスに特化したスタジオ「モノムーン タップダンススタジオ」を開いた。明石アーティスト協会が制作した映像作品でもその技を披露している江口さん。一般向けだけでなく、子ども向けや健康維持を目指すクラスなど多様な講座を用意し、「タップダンスの魅力を広めたい」と話す。(松本寿美子)

 魚住中学校、明石北高校時代は音楽部でフルートを吹いていた。ダンス経験はゼロだったが、19歳のとき、友人の誘いでのぞいたスタジオでタップダンスに出合った。「すぐに音が鳴り、リズムがはまるのを実感できた」という。講師だった宅原浩一さん(故人)のレッスンを巡った。翌年に上京し、ダンススタジオの手伝いから次第にクラスを受け持つように。その間、ニューヨークでレッスンも受けた。

 29歳で戻り、西明石のビルで毎週スペースを借りて教えたが、ビルが取り壊しのため3月末で閉鎖に。近くのビル(松の内2)に賃貸物件を見つけ、内装を鏡や防音機能を備えたスタジオ仕様に施工した。資材費高騰で一時は途方に暮れたが「どこへでも付いていく」という生徒の言葉に励まされたという。

 スタジオは約48平方メートル。就学前から70代までの幅広い層が通う。靴底のつま先とかかとにはアルミ合金の薄い板がはられ、ステップを踏むことで小気味よく響く。江口さんは「ずっと走っている感じなので、みんな汗だくになる」と笑い「足だけでなく体全体でリズムを感じるように伝えている」と話す。

 足腰への負担や転倒が心配な人向けに椅子に座ったままできるクラスも開講。「結構、腹筋が鍛えられますよ」と江口さん。「和気あいあい、仲間のつながりを感じてもらえるスタジオにしたい」と話す。