淡路

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定植を待つ青パパイアの苗と森久則さん=淡路市野田尾
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定植を待つ青パパイアの苗と森久則さん=淡路市野田尾
学校給食で青パパイアを味わった児童に話をする森久則さん=2021年10月、津名東小学校
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学校給食で青パパイアを味わった児童に話をする森久則さん=2021年10月、津名東小学校

 山あいの農村に点在するビニールハウス。兵庫・淡路島特産のカーネーションが育つが、一部に見慣れない葉の苗木が並ぶ。定植を待つ熱帯フルーツ、パパイアだ。

 同県淡路市野田尾の花卉(かき)農家森久則さん(65)が2年前、「地域の衰退を止める新たな名物に」と栽培を始めた。南国のように甘くはならない改良種で、「青パパイア」と呼ばれる。花より手軽に育てられる上、健康食材として注目度が高く、昨年は野田尾の20軒に広がった。

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 同市は国内有数のカーネーション産地として知られる。しかし、近年は安価な輸入物に押され、1985~90年ごろをピークに作付面積、農家数とも減少した。

 森さんによると、野田尾を含む生穂地区のカーネーション農家はこの20年で12軒から5軒に、作付面積も半分程度に減ったという。高齢化にも拍車が掛かり、「手間の掛かる花の栽培はつらい。徐々に使われないハウスが目に付くようになった」と嘆く。

 「ハウスの再利用を」と思案していた数年前、パパイアの改良種を紹介する新聞記事が目に留まった。「冬を越す前に収穫でき、無農薬でも虫が付きにくい」「ビタミンなどの栄養成分や、ダイエット効果のある酵素を多く含む健康食材」など魅力的な言葉が並んでいた。「物は試し」と、試験栽培に着手した。

 2年前、カーネーションの収穫が落ち着く5月に20株を育て始めた。約20センチの苗が4カ月ほどで2メートル以上に成長。「肥料と水さえやれば、あとはほったらかし」。9月に入ると長さ20センチ、重さ約700グラムのパパイアが次々と実った。

 手応えを感じた森さんは周囲の農家に呼び掛けた。2年目、20軒が計約70株を栽培。地元一丸で取り組もうと「野田尾パパイア生産組合」も設立した。3年目の今年、計100株に拡大するという。サプリメント開発などの6次産業化も目指すといい、森さんは「まずは自分たちで食べて、健康の効果を証明したい」と明るい表情を見せる。

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 青パパイアの可能性に、島内の飲食店や観光業界も興味を示す。同県洲本市のホテルニューアワジは、宿泊者向けのコース料理の食材に採用した。アップルビネガーやワインなどに漬けるピクルスに調理。和風パエリアの付け合わせにし、利用者から好評だったという。

 同ホテルの山本和英西洋料理シニアアドバイザー(54)は、「こりこりとした食感が面白い。炒め物や揚げ物なども試していきたい」と話す。

 淡路市は昨年10月と12月、パパイアを市内全小中学校の給食で出した。メニューはスープとチンジャオロース。子どもたちは「苦そうに見えたけどおいしい」と喜んだ。

 「栄養素の分析や調理法の研究を続け、販路を広げたい」と森さん。「島から出た子どもや孫が帰って来られる古里を残したい。パパイアがその助けになれば」と思い描いている。(内田世紀)

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