関西で唯一、兵庫県香美町の香住漁港西港で水揚げされるベニズワイガニの競りが5日朝、同漁港で行われ、黄色く輝くような見た目から地元で「黄金ガニ」と呼ばれるカニに1匹30万円の値が付いた。今季の初競りを迎えた4日には1匹が過去最高の10万円で競り落とされており、連日の記録更新となった。
「黄金ガニ」は山陰沖の水深千メートル前後で、褐色のズワイガニ雄と紅色のベニズワイガニ雌が交配することで生まれた個体で、漁業関係者の間でこの名が付いた。前者のうま味と後者の甘みを兼ね備えた味は絶品とされ、数千~数万匹に1匹程度しか水揚げされない希少種とされる。
同漁港ではこの日、大型船1隻が約9トンを水揚げ。うち重さ約1・4キロの堂々たる「黄金ガニ」を、地元の特産品直売所「かすみ朝市センター」内の店舗が競り落とした。
ベニズワイガニの値上がり傾向が続く中、同直売所の関係者は「小売りとしては安い方がいいが、来年5月までの漁期中、荒海に出漁する漁師へのエールになれば」と話している。(金海隆至)