西のゴールデンルート共同記者発表に集まった久元喜造神戸市長(右から5人目)や高島宗一郎福岡市長(同6人目)ら=神戸市中央区港島中町6
西のゴールデンルート共同記者発表に集まった久元喜造神戸市長(右から5人目)や高島宗一郎福岡市長(同6人目)ら=神戸市中央区港島中町6

 4月開幕の大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭を前に、兵庫から鹿児島県までの西日本に欧州、米国、豪州の観光客らを呼び込む「西のゴールデンルート」の共同記者発表が5日、神戸市内であった。モデルルートや専用サイトを紹介し、久元喜造市長や高島宗一郎福岡市長らが地域の魅力発信での連携強化を確認した。

 国の統計によると2023年に来日した欧米豪の延べ宿泊者のうち、79・3%が東京-大阪間のゴールデンルートに集中し、大阪から西は5・8%にとどまる。欧米豪の観光客は滞在期間が長く、支出額も多いため、高島市長の呼びかけで23年から誘客に向けた取り組みを開始。24年に自治体や観光団体、交通事業者などで「アライアンス」を設け、モデルルートや売り込み手法を検討してきた。

 モデルルートは、訪日経験者向けロングルート(2週間程度)と、初心者向けショートルート(3、4日程度)を設定。ロングは、新幹線を軸に都市を巡る▽フェリーを使い、瀬戸内海の島々や海の景観を楽しむ▽山陰の砂丘や島々の自然、港町を巡り、九州を縦断する-の3種類。ショートは、広島、長崎の被爆地を訪れ平和を考える▽灘五郷などの酒どころや大分の温泉地で食文化に触れる-などの8種類をつくった。

 専用サイトには、モデルルートや各地の観光、体験情報を掲載。予約ページともリンクしている。久元市長は「まずは情報発信をしっかり、すぐにやることが大事」と強調。高島市長は「幅広い国からの誘客と観光客の平準化を図りたい」と述べた。(大島光貴)