神戸・三宮の地下街「さんちか」で3年間にわたる再整備が完了し、27日、記念式典があった。北端の「1番街」で、神戸初出店となる食品スーパー2店がオープン。エリア全体で再整備が進む三宮で「地下の玄関口」の姿が整った。
1965(昭和40)年のさんちか開業以来最大規模のリニューアル工事として、神戸市と管理運営会社「神戸地下街」が2022年4月に着工。9街区のうち1、2番街を改装し、2番街は24年2月に先行オープンしていた。
同12月には、旧1番街の区画の一部を使った南北の「さんちか新通路」(幅約6メートル)が開通。市営地下鉄西神・山手線三宮駅方面へのアクセスを向上させた。1番街南側のスペース「夢広場」も約2倍に広げた。
1番街は、工事前には「シティエレガンス」をテーマに服飾などの14店舗があったが、改装後は区画当たりの面積を拡大。食をコンセプトに、紀ノ国屋(東京)の兵庫県内初の店舗「紀ノ国屋アントレ」、ライフコーポレーション(大阪市)の自然派スーパー「ビオラル」がオープンした。
式典で、神戸市の久元喜造市長は「三宮の六つの駅が一つに感じられるよう再整備した。各商業施設が一体となり、さらに集客力を高めるよう期待する」とあいさつ。同市西区から友人と訪れた主婦(71)は「大阪まで行っていた紀ノ国屋が神戸にできて助かり、ビオラルも価格が手頃。これからも三宮からの帰り道に立ち寄りたい」と喜んでいた。(広岡磨璃)