記帳して残高が増えていると、大人も子どももやっぱりうれしい。福崎町立図書館(兵庫県福崎町西治)は本年度、読んだ本のタイトルが貯金通帳のように記録される「読書おもいで帳」を導入した。同館は「読書離れが進む子どもたちが、図書館に足を運ぶきっかけになってほしい」と期待する。
同図書館によると、スマートフォンやゲーム機の普及により、子どもの図書館利用は減少傾向にあるという。一方、新型コロナウイルス禍の外出自粛を機に、自宅で読書するため本を借りる人は増えたといい、さらに図書館を訪れたくなる仕掛けを考えた。
読書おもいで帳は一般的な貯金通帳とほぼ同じサイズで、4月から1冊200円で販売。町内の小中学生には無料配布した。
利用者は記録するページを開き、専用の機械に差し込む。本に付いたバーコードを読み取ると貸出日やタイトル、作者名、出版社が印字される。1冊で336点まで記録できる。出だしは好調で「学校で配られたので試しに来た」と来館する子どももいるという。
また、同館には高齢者らから「過去に読んだ本を再び借りてしまい、途中まで読んで気付いた」という声も寄せられる。通帳ではこれまで借りた作品の履歴を簡単に確認できるため、大人の利用も期待できる。
手帳を1冊埋めた利用者にはプレゼントを準備している。同館職員の女性(42)は「『この年齢の頃はこんな本を読んでいた』という思い出にもなる。楽しんで集めて家族の会話のきっかけにもしてほしい」とほほ笑んだ。
同館TEL0790・22・3790(月曜休館)
(喜田美咲)