英語とドイツ語で礼拝を行う「神戸ユニオン教会」(神戸市灘区長峰台2)の歴史と歩みを振り返る企画展が、神戸大学社会科学系図書館(同区六甲台町)で開かれている。年表や史料、写真パネルなど約30点を展示している。
神戸大大学院国際文化学研究科の衣笠太朗講師(34)らが、同教会の所蔵資料を約1年かけて整理収集した。
同教会は二つのルーツを持ち、このうち一つの組織が1870年代に神戸の外国人居留地区で布教活動を行った。71年には教会堂が完成し、活動が本格化。のちにドイツ語での礼拝も行うようになったという。
教会堂は2度移転し、このうち生田町にあった建物は建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計し、現在はカフェ「フロインドリーブ」として活用されている。
企画展では写真パネルや教会堂の設計図、賛美歌、聖書などを展示。日本とドイツが敵対国となったり、神戸空襲で教会の一部が損壊したりするなどの苦難を、史料や写真で伝えている。衣笠さんは「神戸の多文化の歴史と歩みが分かる貴重な史料を見ていただきたい」と呼びかけている。
7月31日まで。平日午前8時45分~午後8時。土日午前11時~午後5時。同研究科TEL078・803・7504
(久保田麻依子)